技術書典7の振り返り

技術書典7にて「だめぽラボ」としてサークル参加しました。振り返って雑然と色々書きます。

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目次

被チェック数の推移

あまり細かい記録に意味があるかはわかりませんが、一応残しておきます。

日付被チェック数備考
9月6日(金)19
9日(月)2813日前
10日33
12日39
13日40
14日(土)428日前
16日(月・祝)44目次をTwitterに上げた
17日未明47
17日昼過ぎ52入稿締め切り
18日56
19日60
20日65
21日(土)70
22日(日)朝88当日朝
最終値97

技術書典5と技術書典6はそれぞれ最終的な被チェック数が3桁になっていましたが、今回は2桁止まりでした。まあ直前に3桁突破しても用意できる部数が増えるわけでもないし、あまり意味はないのですが……。

時間毎の売れ行き

時間帯毎の売れ行きも載せておきます。例のごとく、最初の4時間ほどは結構なペースで売れていきました。

Haskell競プロ(紙)Haskell競プロ(電子)ClutTeX(紙)ClutTeX(電子)代数的数(電子)
11時台292104
12時台272305
13時台252003
14時台233216
15時台201120
16時台60100
2冊多く数えてしまっているので実際の合計は128

支払い方法の種別も載せておきます。最初の2時間は現金とかんたん後払いが同じくらいの比率だったのが、後半はかんたん後払いの割合が減っています。最初の方に来る来場者は、かんたん後払いを積極的に利用する熱心な層が多い、ということでしょうか。

現金かんたん後払い
11時台1719
12時台2116
13時台273
14時台2510
15時台159
16時台70
2冊多く数えてしまっているので略

新刊「Haskellで戦う競技プログラミング」

サークルチェック数および前回前々回の手応えから、100部程度は売れると睨んでいました。また、Twitterで「当日行けないけど紙の書籍が欲しい」という声を頂きました。なので、「100部よりも多く」刷ることにしました。

では実際に何部するか。我々が使用した印刷所「ねこのしっぽ」のオンデマンドプランでは、100部の次が150部です。なので150部刷りました。

執筆は結構ギリギリでした。新刊の入稿締め切りの1週間前まではClutTeX本の改訂作業をしていて(早割締め切りを利用するため)、そのあとの1週間で仕上げるのはきつかったです。

表紙絵はペンネーム610さんに描いていただきました。入稿締め切りの数日前に急ピッチで依頼することになり申し訳なかったのですが、大変良いものになったと思います。

この本を売ってると「Haskellで!?笑」みたいな声が時々聞こえました。わかります。競技プログラミングってC++やJava, C#や最近はRustなど、それなりに速い手続き型言語で参加するのが普通ですもんね。Haskellのような関数型で、しかも純粋な言語であっておまけに遅延評価みたいな浮世離れした言語で勝負するなんて、どうかしてますよね。つまり、意外性があって面白いのです。

既刊「LaTeX処理自動化ツールClutTeX 使い方とその仕組み」

前回頒布したClutTeX本ですが、在庫がほとんどないこと、8月にClutTeXのバージョン0.4を出したことがあり、改訂して紙書籍を刷ることにしました。

前回は100部刷りましたが今回はそこまでの需要は見込めません。でもあまり少部数だと1冊あたりが割高になってしまうので悩みどころです。結局80部刷りました。

結局紙の本は1桁しか売れず、大量に在庫を抱えることになってしまいました。とほほ。

今回も前回同様、「紙と電子版のセット」と「電子版単体」の2種類を販売しましたが、電子版単体はBOOTHでも買えることを考えると、ClutTeX本は「紙と電子版のセット」のみの販売にしてオペの簡略化を図るべきだったと思いました。

そういえばひだるまさんの「LuaLaTeX微文書入門」でClutTeXが紹介されていました。ありがとうございます。

既刊「代数的数を作る 多項式の根と因数分解のアルゴリズム」

今回も前回と同じく、ダウンロードカードの販売のみという形になりました。前回と同じく、「紙書籍はないのか」という声を頂きました。申し訳ありません。

流石に270ページの本をもう一回刷るのは気が引けるので、やるとすれば内容を分割してより薄い本を複数冊売る、という形になるかと思います。「多項式の因数分解編」「多項式の根編」みたいな。その際は新規の内容も書き下ろすことになると思います。(ハードルがどんどん上がっていく)

かんたん後払いシステム

今回から2%の手数料がかかるということでしたが、現金を扱う手間を考えると来場者にはなるべくかんたん後払いシステムで支払ってもらった方がサークル側としては嬉しいです。

ただ、カードに印刷されたQRコードの読み取りはちょっと面倒です。私が新刊を買いに行ったOtakuAssemblyさんはA4ぐらいの紙にでかくQRコードをプリントしていて、賢いと思いました(彼ら本当に初参加ですか?)。

それから、購入時にスマホ画面で紙版と電子版がわかりやすいように、電子版の方のサムネイルに「電子版のみ」みたいな文言を入れておけばよかったかもしれません。

Adobe税

ClutTeX本を改訂するにあたって表紙の「バージョン0.3対応」という文字列を「バージョン0.4対応」に書き換える必要がありました。

これまでの本の表紙やだめぽラボのロゴの作成に使っていたのはMac上のInkscapeなのですが、今回InkscapeをGUIで立ち上げるとなぜか不調なので困りました(ちなみにMac上のInkscapeはX11で動かすとマルチディスプレイ環境での動作が死ぬのでMacPorts等でGTK/Quartzを使うようなものをビルドした方が良いです)。最近OSをMojaveに上げたのと関係があるのかもしれません。

Windows上のInkscapeは動くのですが、Mac版とは使えるフォントが違うので過去のファイルを使いまわすと見た目が変わる可能性があります。また、そもそもInkscapeはCMYKにネイティブ対応していないので印刷物を作るのに適さないという問題があります。

なので、思い切ってAdobeの1年契約を買ってIllustratorという商用のベクタードローツールを使えるようにすることにしました。10月から増税であること、今年度いっぱいで学生ではなくなる(来年からは学割で買えなくなる)ことから、学割の1年間一括払いで買いました。

さて、IllustratorではSVGファイルを読み込めるのですが、Inkscapeで作ったファイルを読み込ませたところ、フォントのほか、「曲線上のテキスト」みたいな機能に非互換があるようで、あまり芳しくないものでした。だめぽラボのロゴは頑張ってIllustratorで扱えるように編集しましたが、ClutTeX本の表紙は結局SVGファイルをテキストエディターで書き換えた上でコマンドラインのInkscapeでPDFに変換しました。

ちなみに、新刊の表紙(絵以外の部分)やポスターはIllustratorで作りました。

Adobeのサブスクリプションを買ったことで、Illustrator以外にも、Acrobatの最新版が使える(今まで使っていたのはサブスクリプションになる前のAcrobat Proで、次のmacOSあたりで動かなくなりそうな気配がしています)、Adobe Fontsでたくさんのフォントが使えるようになる、などのご利益もあります。

ところで、macOSをMojaveにしたら昔買ったワコムの板タブのドライバーが対応していなくて死にました。iPad Proを持っている今新しい板タブを買うというのもアレです。どうしたものか。

初めての委託と、初めての在庫

今までは後日販売分は電子版のみでしたが、今回は紙の本を多めに刷ったので、BOOTHでの通販および「とらのあな」様での委託販売を行っております。

委託の類は初めてだったので不安でしたが、どちらも会場で発送(?)できて、なんとかなったようです。

どちらも少部数ですが、ClutTeX本は潤沢に在庫があるので追加で入荷できます。

BOOTHの方で買うとBOOTHのサイトで電子版PDFをダウンロードできますし、とらのあなで買うと名刺サイズのダウンロードカードが挟まっています。

BOOTHで買うメリット・デメリット:

  • メリット:紙+電子版を買うとすぐに電子版をダウンロードできる(よね?)
  • デメリット:紙版の入庫にもう少し時間がかかる?

とらのあなで買うメリット・デメリット:

  • メリット:店頭受取をすれば配送料がかからない
  • デメリット:通販でポチっても届くまでは電子版を読めない

通販で入手できるようにするだけならBOOTHのみ、またはとらのあなのみでも良いのでしょうが、潜在的な読者にとっての利便性を考えてこうしました。

だめぽラボステッカー

前回大量に用意しただめぽラボステッカーですが、今回の販売中になくなってしまいました。ちゃんと枚数を確認して追加で用意すればよかったです。今回手に入らなかった方はごめんなさい。

次に技術書典に参加することがあればまた似たようなステッカーを用意して配ると思います。お楽しみに。

謝辞

おかげさまで、だめぽラボとして3回目の同人誌を執筆し、頒布できました。だめぽラボの本を手に取ってくださった皆様、技術書典を運営の皆様、表紙の絵を描いてくださった610さん、共同執筆の誘いに乗ってくださったgksatoさん、そしてだめぽラボの活動を毎回手伝ってくれている売り子氏に感謝します。


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