これは TeX & LaTeX Advent Calendar 2019 の10日目の記事です。9日目は munepi さんの ぼくのかんがえたさいきょうのLaTeX索引スタイルファイル でした。11日目は doraTeX さんです。
10月に予定されていたTeXConf 2019 が残念ながら台風によって中止になってしまいました。そこで、この記事では TeX 言語で台風の進路を制御する方法……ではなく、 TeXConf 2019 の発表で使う予定だった資料の供養をします。
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10月に予定されていたTeXConf 2019 が残念ながら台風によって中止になってしまいました。そこで、この記事では TeX 言語で台風の進路を制御する方法……ではなく、 TeXConf 2019 の発表で使う予定だった資料の供養をします。
続きを読む対数関数や平方根のような複素関数は、閉曲線に沿って解析接続すると元の関数と値がずれる場合がある。対数関数や平方根であればまだ単純だから良いが、根号の中に多項式等が入るような関数だと、具体的な曲線に対して関数の枝を計算するのは少し面倒である。
というわけで、以前に作った複素積分の Web アプリ(ブラウザアプリ)のような感じで、平面に描いた曲線に沿って解析接続してくれるアプリ(Web ページ)を作った。「複素関数で遊ぼう」「たのしい複素積分」に続く、複素関数シリーズ第3弾とでも言おうか。今のところ愛称は設定していないが、気が向いたらページのタイトルを「わくわく解析接続」に変えているかもしれない。→変えた。この記事のタイトルも変更。 続きを読む
1年近く前に、複素積分をインタラクティブに行える Web ページ(Web アプリ?)を作ったのだが、ブログでの紹介がまだだった。
以前、UT-mateの使い勝手を上げるGreasemonkeyスクリプトを書いたが、それをChrome拡張化してみた。
Greasemonkeyのuserscriptも chrome://extensions/ にドロップすればなんか勝手に拡張として扱ってくれるようなのだが、一般人にuserscriptをダウンロードさせて chrome://extensions/ を開かせてうんぬんさせるよりはChrome Web Storeで入手出来るChrome拡張の方が導入しやすいだろうということで、Chrome拡張化してみることにした。
このuserscriptではGreasemonkey特有の関数( GM_*
)は使っていないので、拡張機能の作り方のContent Scriptsのページを読んで manifest.json
を適当に書いてやってパッケージしてやればChrome拡張になる。
Chromeの機能でChrome拡張のパッケージ(.crx
)を作れるようだが、Chrome Web Storeで配布する際はzipアーカイブをアップロードすれば向こうで適当に .crx
を作ってくれるっぽい。
作ったChrome拡張(とかWebアプリ)をChrome Web Storeで初めて公開するには、Googleに5ドルのみかz…登録手数料を払う必要がある。まあ一回払えばいくらでも拡張機能やWebアプリを公開できるからそんなに高くない…と思ったけど20個の上限があった気がするぞ…。
そんなわけで作ったChrome拡張がこちら。
Chrome Web Storeではなんかすれば課金もできるみたいだけど、この程度のアレで課金して誰もダウンロードしてくれないよりは、無料でダウンロードしてもらって自分の承認欲求を満たした方が良いなあと思った。
ちなみに、Chrome拡張化の際にuserscript本体はいじる必要はなかったが、UT-mateのページが仕様変更していたみたいで、そのための修正は必要だった。
Firefoxの人は従来通りGreasemonkeyを使って Better_UT-mate.user.js をインストールすれば良い。
Safariの人はTampermonkeyとかいうのを使えば良さそう。Safariの拡張機能でもChrome拡張と同じようなことができる感じがするが、Appleに登録か何かしないといけないようなので面倒くさい。
11月22日から24日にかけて行われた東京大学駒場キャンパスでの第65回駒場祭で、数学科有志による「ますらぼ」企画(@UTmathlabo)に参加していました。「ますらぼ」では、数学科生・院生による発表、我々で作った冊子の配布、それから数学に関する展示が行われていました。
私は、かねてから作っていた複素関数を視覚化するWebアプリケーション “Conformality” に関する記事を書いたり、展示をしたりしていました。
冊子には、いくつかの複素関数の例・解説と、Webアプリの舞台裏に関する記事を書きました。一方、展示では、いくつかの複素関数の例・解説をポスター(というほどの紙の大きさでもない)で貼ったのと、パソコンとタブレットを用意して実際にWebアプリを動かしながら解説するのをやりました。
来場者に解説するとき、聞き手のレベルに合わせて話して、分かってもらうのは楽しかったです。実際どのぐらい理解してもらえたかは不明ですが…。あと、ふだんあまり喋らないので声が枯れました。
具体的に、レベルに応じてどんな内容を話したかというと、
小学生(!)
中学生
高校生
大学生
という感じでした。
教える関数としては、当初は一次分数変換が一番単純かなあと思いましたが、高校生を視野に入れるなら複素数のかけ算(拡大縮小と回転)からやった方が学習の役にも立つだろうと思って、冊子やポスターでは最初に複素数のかけ算の例を載せました。しかし、実際に人に教えるときはもっと初歩的な、複素数の足し算の幾何学的意味(平行移動)から始めたので、他人への解説の仕方というのは自分だけで考えてもわからないものだということを認識しました。
解説内容はそのうちこのブログかどこかに載せたいと思います(時間があれば)。
余談として、「ますらぼ」の教室では学内無線LANが使えないので、Webアプリケーションを動かすには工夫が必要でした。持ち込んだ機器は
で、MacでWebサーバーを動かしてWebアプリケーションを動かす感じにしました。URLは本来の “https://miz-ar.info/webapp/conformality/” で動いているように見せたかったので、MacBookとNexus 7で d-poppo.nazo.cc がMacBookのIPアドレスに解決されるようにしました。
ドメイン名に対して好き勝手なIPアドレスを割り当てるためには /etc/hosts をいじるのが手軽な方法だと思います。しかし、Androidの場合は /etc/hosts をいじるにはroot権限を取る必要があり、調べてみたところ思いの外危なそう&面倒くさそうだなあと思ったので、代わりに手元でDNSサーバーを動かすことにしました。MacBookにはDNSサーバーのソフトウエア(BIND9)が搭載されていた(最新のOSXにはないらしい)のですが、駒場祭直前にBIND9の使い方なんて覚えられない…。と思っていたらWebminとかいう便利なツールがあることを知ったので軟弱者の私はそれでBIND9を設定しました。めでたしめでたし。
東大図書館のMyOPACというサービスがあるが、このログインページも良くない作りをしていて、良くない。
IDとパスワードの入力欄でリターンキーでログインできるのはUT-mateよりも優秀と言えるのだが、この挙動をサブミットボタンではなくてJavaScriptでイベントを捕捉することにより実装しているため、
という、ブラウザの補完機能に頼っている人にとっては微妙に使い勝手が悪いことになる。UT-mateの時も思ったが、こういうフロントエンドを作ってる人は頭が悪いのか。ログインボタンは普通にHTMLのサブミットボタンで書いて、JavaScriptを使うのはフォームの検証にとどめておけばいいものを…。
というわけで、この挙動を修正するGreasemonkeyスクリプトを書いた→Better_MyOPAC.user.js
GreasemonkeyをインストールしたFirefoxを使っている人ならば、上のリンクをクリックすることでインストールできる。
今はログインページの修正だけだが、今後他のページもいじりたくなったら機能を追加するかもしれない。
東大の後期課程や大学院に在籍する人は必ずお世話になるであろうUT-mateだが、その使い勝手はお世辞にも良いとは言えない。まず、ログイン画面でEnterキーを押してもログインできない。他にもいろいろある。
さて、世の中のWebブラウザには、ユーザー側でWebページの見た目とか使い勝手をいじくれるものがある。Firefoxの場合はGreasemonkeyという拡張機能をインストールすれば、そういう”user script”を導入できるようになる。つまり、Greasemonkeyを導入したFirefoxであれば、user scriptによってUT-mateのページを構成するHTMLとかをいじることができ、使い勝手を向上させられる可能性があるということだ。(他のブラウザは筆者はあまり使っていないのでこの記事では扱わない)
というわけで私が書いたuser scriptがこれ→Better UT-mate.user.jsになる。Greasemonkeyを導入済みであれば、このリンクをクリックすることでこのuser scriptをインストールできるはずだ。ソースを見れば分かる通り、至極簡単なスクリプトであって、怪しい動作はしない。
現在のところ、実装している機能は
である。気が向いたらさらに機能を追加するかもしれない。
【2015年9月3日】GitHubに公開。user scriptへのリンクをGitHubのものへと変更。
三角形の五心を表示するWebアプリ(ブラウザアプリ)を公開した→https://miz-ar.info/webapp/triangle/
好きな位置に三角形の頂点を配置して、その三角形の五心と関連する円(内接円、外接円、傍心円、九点円)と線分(中線、垂線、辺の垂直二等分線、角の二等分線、傍心三角形、オイラー線)を表示できる。三角形の頂点の位置はマウスのドラッグまたはタッチ操作で移動でき、五心や円、線分がはそれに追随して動く。
動作環境は、デスクトップ&マウスの場合は最近のブラウザであればどれでも動くと思う。タッチ操作版については、
といったところである。
iOSでは「ホーム画面に追加」することによって、普通のアプリケーションのように使える。アプリケーションキャッシュを利用するので、オフライン状態でも使用できる。
こういう初等幾何学の学習に役立つアプリケーションはきっとすでにいろいろあるのだろうが、今回公開したこれの特徴をあえて挙げるとすれば、ブラウザで動くのでインストールが不要であること、スマートフォンやタブレットなどでタッチ操作できること、機能が単純なのでとっつきやすいこと、ぐらいだろう。