投稿者「mod_poppo」のアーカイブ

やりたいことリスト(2024年6月)

相変わらずやりたいことに対して時間が足りません。執筆とOSS開発で食っていきたい人生だった。

プログラミング

作りたいものがたくさんあります。

LunarML

TextIO.StreamIO/BinIO.StreamIO を真面目にやったら出力コードが肥大化しました。不要コード削除などの最適化を頑張ったところマシにはなりましたが、まだ若干不満があります。

しかし、そろそろバージョン0.2をリリースした方が良いかもしれません。

新しいバックエンドを追加するアイディアは色々あります。ネイティブコード、WasmGC、PHPなど。

周辺環境の整備もやっていきたいです。パッケージマネージャー、ビルドシステム、ライブラリーなど。

ClutTeX

Standard MLに移植するぞと息巻いていましたが、最近はあまり手を動かせていません。

数学文書システム

LaTeXをいい感じに解釈してHTMLとかを生成するやつを作りたいです。まあこれはLaTeXMLに乗っかるのでも良いかもしれません。Perlよくわからんけど。

その他

libcを自作したい欲求が若干あります。C23のサポートとか、マイナーな浮動小数点型のサポートとか。時間がないのでやらないけど。

執筆

執筆したいものもたくさんあります。

浮動小数点数関連

次の同人誌は「浮動小数点数小話」を発展させて、もっと体系的な本を書きたいです。少しずつ書き始めた方が良さそうです。

初等解析学コンテンツ

三角関数とかの数学関数の計算法をやるコンテンツを書きたいです。前にやった「週刊 代数的実数を作る」の初等解析版みたいな感じを構想しています。

作ってわかるTeX言語

TeXの展開・実行(代入)の部分を再実装することで理解するコンテンツを書きたいです。

前に書いた TeXの字句解析器の動作について はそのプロトタイプです。

その他

もうちょっと前は「数学好きのためのHaskell入門」とか「構成的代数と多項式の因数分解の話を絡めた何か」を書きたい、みたいなことを言っていた気がします。これらもまだ実現していません。


前に書いたように、執筆活動やOSS開発で月10万円くらい売り上げることができれば、労働(Pythonコードのお世話)の時間を削ってそういう活動の時間を増やせそうです。しかし、GitHub Sponsorは今の所0で、同人誌の売り上げもたかが知れています(直近のイベントの計算はちゃんとしてないけど……)。Webサイトの広告はクソまみれな上に私のレベルではほとんどお金になりません。なかなか難しいです。

この記事は30分で書きました。

LaTeXでPDF/XやPDF/Aを出力するメモ

LaTeXで書いた文書は普通はPDFとして閲覧・配布すると思います。このPDFですが、用途によってはPDF/XやPDF/Aなどの標準化されたサブセットにしたいかもしれません。

よくあるやり方は、LaTeXで生成したPDFをAdobe等の製品を使ってPDF/XやPDF/Aに変換する方法です。しかし、ここではpdfxというLaTeXパッケージを使ってPDF/XやPDF/Aを生成する方法をやってみます。

この話題については既存の記事もあるので、それも参考にしてください。

最近のLaTeXでは標準の機能でPDFメタデータを埋め込めるやつもあるようですが、ここでは従来の(?)pdfxパッケージを使います。

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プログラミングではたまにエスパー力が必要になることがある

プログラミングをやっていると、たまにエスパー力が必要になることがあります。つまり、不可解な現象に遭遇し、少ない手がかりで問題を解決しなければならない状況です。

私はLunarMLという言語処理系を趣味で作っているのですが、今回はそれの開発中に遭遇した出来事を取り上げます。

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西暦2262年問題に対処するべきか

西暦2038年問題はみなさんご存知ですよね。2038年1月19日午前3時14分7秒(UTC)を過ぎると 世界中のUNIXがばくはつする問題 time_t が符号付き32ビットなプログラムで現在時刻を正しく扱えなくなる問題です。

C言語の time_t は典型的にはUnix epoch(UTCで1970年1月1日午前0時)からの経過時間(うるう秒は考慮しない)を秒単位で保持しており、それが\(2^{31}-1\)に到達するのが2038年1月19日午前3時14分7秒(UTC)なわけですね。

2038年は割と近い将来なので、モダンなC処理系では time_t を64ビット整数にするなどの対応を行なって2038年問題を乗り切ろうとしています。

それでも、時刻を固定長整数で表現する限り、いつか限界が来ます。「time_t を64ビット整数にする」という対応は、問題を西暦2038年から西暦292277026596年に先送りしたに過ぎません。

そして、時刻の表現を「秒単位」ではなくもっと細かい単位にするとこの限界はもっと早くやってきます。この記事では、時刻の表現をどういう刻みで何ビットにすると限界がいつになるのかを検討してみます。

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Standard MLのIOとLunarMLのIO

プログラムにとって入出力は大事です。入出力機構がないと、計算の入力を受け取ることも、出力を出すこともできません。

Standard MLにも当然入出力に使う型と関数が定められています。例えば、print 関数は標準出力に文字列を出力し、flushします。TextIOBinIO などのモジュールを使うと、ファイルの読み書きを行うこともできます。

LunarMLも、これらのモジュールを一部実装しています。しかし、今の実装はやっつけなので、もっとしっかりした(準拠度の高い)実装にしたいです。

Standard MLの入出力

Standard MLの入出力はいくつかのレイヤーに分かれています。

一番高いレイヤーが「手続き的入出力」すなわち IMPERATIVE_IOTEXT_IOBinIO です。これらは

  • 手続き的な入力
  • 手続き的な出力
  • ストリームのリダイレクト

などの機能を提供します。

手続き的入出力は、ストリーム入出力のラッパーと思えます。手続き的入出力のストリームの型はストリーム入出力の型を使うと

type instream = StreamIO.instream ref
type outstream = StreamIO.outstream ref

という風に理解できるでしょう。

ストリーム入出力は STREAM_IO で表されます。機能的には、

  • 関数的な(遅延リスト的な)入力
  • 手続き的な出力
  • バッファリング

を提供します。「関数的な入力」というのは、例えば「一文字読み取る」関数が

val input1 : instream -> (elem * instream) option

という型を持ち、「入力に与えられたストリーム」とは別の「一文字読み取った後のストリーム」を返すということです。同じストリームに input1 を複数回適用すると同じ結果が得られることが期待されます。

ストリーム入出力の下にあるのがプリミティブ入出力です。プリミティブ入出力 PRIM_IO は、システムコールを抽象化したものだと思えます。機能的には、

  • バッファリングなしの、手続的な入出力
  • ノンブロッキングIO(オプション)
  • ランダムアクセス(オプション)
  • OSのファイル記述子へのアクセス(オプション)
    • ファイル記述子に対しては、等価性比較、ハッシュ値の取得、大小比較ができることが想定されています。

があります。ただし、プリミティブ入出力はあくまでインターフェースを定めるものであり、特定のシステムコールに紐づいたものではありません。特定のシステムコールを呼び出すプリミティブ入出力の実装を提供するのは openIn とか stdIn とかを提供する側の役目です。

Standard MLにはこのほかに、OSのシステムコールに対応する型と関数が規定されています。

LunarMLの入出力

LunarMLは、スクリプト言語の提供する入出力機能をラップしてStandard MLの型と関数として見せたいです。スクリプト言語の提供する入出力機能とは、Luaで言えば io モジュール、Node.jsで言えば Readable/Writable などのストリームです。

スクリプト言語の提供する入出力機能をシステムコールとみなしてプリミティブ入出力として提供できれば良かったのですが、現実にはそううまくはいきません。スクリプト言語の提供する入出力機能にはバッファリングがあるのに対して、プリミティブ入出力にはバッファリングはありません。具体的には出力ストリームのflush操作がプリミティブ入出力にはないのです。書き込み操作の度にflushすればエミュレートできるかもしれませんが、ストリーム入出力のレイヤーでバッファリングを再実装するのかという問題もあります。

今考えているプランは、ストリーム入出力を単なるプリミティブ入出力のラッパーとするのではなく、内部実装として「プリミティブ入出力、あるいはスクリプト言語の提供する(バッファリングされた)ストリーム」の2択を持てるようにする案です。ストリームからプリミティブ入出力のインターフェースを得る場合は、ファイル記述子っぽいものを含めて、逆の操作(ストリーム入出力の構築)を行うときに「スクリプト言語の提供するストリーム」を復元できるようにします。ファイル記述子としては、スクリプト言語の提供するストリームと独自に割り当てる整数をハッシュテーブルで対応させて管理することにします。

まあ、言葉にするのは簡単ですが(これでも結構考えたのですが)、実装するのは面倒くさいです。少しずつやっていきます。

趣味のOSS開発を細く長く続けていくために心がけたいこと

私は趣味でいくつかの自作OSSを開発しています。あまりバズったりはしていませんが(GitHubスターが一番多いのがLunarMLの200超)、それなりの期間続けているつもりです。

この記事では、趣味のOSS開発を細く長く続けていくためのコツを考察します。

自動化する

普段かかる手間は少なければ少ないほど良いです。つまり、自動化です。自動化するための手間はかける価値があります。

テストは自動化している人が多いでしょう。GitHub Actions等でpushの度に動かしましょう。巨大IT企業の金でテストを回しましょう。

(マイナーなOSやアーキテクチャー、それからGPU等に依存するソフトウェアのテストはGitHub Actionsでは回せないかもしれません。そんな場合でもできるだけの自動化はしたいものです。)

バージョン番号の更新も、手で書き換えるのではなく、シェルスクリプト一発でできるようにすると良さそうです。

リリースもGitHub Actions等で自動化できそうです。私はまだそこまではやっていませんが、リリース用のtarballを作るのは自動化しています。make archive でできるようにしたり、ですね。

依存先の更新情報が自動で入ってくるようにする

自分の書いたプログラムが依存しているソフトウェア(言語処理系や依存ライブラリー)がメジャーアップデートされた場合、自分のプログラムも追従したいかもしれません。なので、これらの更新情報が自動的に流れ込んでくる仕組みを作りたいです。

具体的には、GitHubなら当該プロジェクトの通知設定をいじってリリースの情報が流れてくるようにする、もっと古典的なプロジェクトならメーリングリストに登録する、あるいはRSSを購読する、などです。

作業手順を文書化する

久しぶりに触ったら手順を全部忘れていた、なんてことはありがちです。なので、手順をドキュメント化しましょう。README.mdに書いたり、CONTRIBUTING.mdに書いたり、Makefileなら make とか make help でターゲット一覧が出てくるようにしたり、です。

定期的にリリースするために

思い立って自分のプログラムに何か変更を加えたとします。そのとき、あなたはすぐに新リリースを出すタイプでしょうか?そういうタイプならそれで良いですが、私のような怠惰な人間は「後でまた変更を加えたくなるかもしれない、そうすると今リリースせずに少し様子を見た方が良い」と考えがちです。そうすると永遠に新リリースが出ないことになります(忘却するので)。

忘却を防ぐためには、カレンダーに登録しておくのが良さそうです。登録した日が来たら自分のプロジェクトに何か変更が入っているか確認し、変更があれば適宜リリースを行います。変更があってもなくても、次回の日付をカレンダーに登録します。

インターバルは、こまめな人なら1ヶ月、長くて1年くらいでしょうか。私はとりあえず3ヶ月でカレンダーに登録しています。


私がやっている趣味OSSは個人開発なので、チームを組んで開発する場合や、人気が出て大量にissueやPRが立った場合の処理などは別のノウハウが必要かもしれません。

ラズパイにSquidでキャッシュサーバーを立てる

現在の自宅ではマンションの無料インターネット回線を使っていて、公称100Mbpsである。実測で90Mbps程度は出るようだが、決して早い部類ではない。工事して個別に光回線を引き込めばいいのかもしれないが、初期費用もかかるし月額料金もかかる。その前に現状でできることはやっておきたい。

回線が細いと何が辛いかというと、同じ(巨大な)gitリポジトリーをcloneしたり、でかいバイナリー(GHCとか)を何回も落としてくるのがしんどい。こういうダウンロードするものを何とかして手元にキャッシュできないか。

家にはラズパイやNASが転がっている。これらは常時稼働しているので(最近はNASは止めているが)、これらにキャッシュサーバーを立てるのが良いだろう。

QNAPのNASの一部機種はProxy Serverに対応しているようだが、残念ながらうちにあるやつは非対応だ。それに、どっちみちHTTPSには(オフィシャルには)対応していない。

ということで、ラズパイにプロキシーサーバーを立てることにする。

今使っているラズパイはRaspberry Pi 4の8GBモデル、ストレージはUSB接続のSSD(256GBくらい)だ。OSはUbuntu 22.04を入れている。今回の記事でラズパイらしさは(最後に書く件以外は)ないので、Ubuntuなら同様にできるだろう。

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TOMLパーサーを書いた/設定ファイルについて思うこと

TOMLについて

プログラムの設定ファイル、あるいはプロジェクトファイルとしては、さまざまなファイル形式が使われてきました。古くはINI、近年はJSONやYAMLなどです。最近よく見かけるのがTOMLです。Rustの Cargo.toml やPythonの pyproject.toml などで使われています。仕様は

で参照できます。TOMLはTom’s Obvious, Minimal Languageの略ということになっており、ミニマルでわかりやすいことがウリのようです。

私がStandard MLで書くプログラムの設定ファイルにもTOMLを採用するかもしれません。しかし、Standard ML向けの既存のTOMLパーサーはまだなさそうです。なので、実装してみました。

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