最近のコンピューターの性能を活用するには、何らかの並列化が必須です。具体的にはSIMDの活用やマルチコア(それとGPU)です。プログラミング言語でこれらを利用できれば「C言語よりも速い」を名乗れます。この記事では並列化技術のうち、SIMDを考えます。
HaskellコンパイラーであるGHCにはSIMDのプリミティブ(データ型と関数)が実装されています。しかし、広く使われているとは言い難いです。
続きを読む最近のコンピューターの性能を活用するには、何らかの並列化が必須です。具体的にはSIMDの活用やマルチコア(それとGPU)です。プログラミング言語でこれらを利用できれば「C言語よりも速い」を名乗れます。この記事では並列化技術のうち、SIMDを考えます。
HaskellコンパイラーであるGHCにはSIMDのプリミティブ(データ型と関数)が実装されています。しかし、広く使われているとは言い難いです。
続きを読む前回の記事
ではBrainfuckコンパイラーを書きましたが、やはりレジスター割り付けもしないコンパイラーでは物足りないと思ったのでした。
コンパイラーを作るオンラインの教材として前回の記事ではMinCamlと「低レイヤを知りたい人のための〜」を挙げましたが、後者はレジスタ割り付けはやらないみたいなので、MinCamlをやっていくことにします。
単にAArch64対応させるだけなら元のMinCamlとの差分だけを書けば良いのですが、どうせなのでHaskellに移植します。
先に成果物を載せておくと、
です。
続きを読む先日リリースされたGHC 9.2.1で、64ビットArm(AArch64)向けのネイティブコード生成器(Native Code Generator; NCG)が実装された。これを機会にGHCのバックエンドについて簡単にまとめてみる。
続きを読むここ数日またGHCをいじっている。少し前にAArch64 NCGがマージされたのでその確認という意味が大きい。
前回の記事(3月):GHCに初めてコントリビュートした/最近のGHC動向
同ジャンルの記事(2020年10月):GHCデバッグ日誌
続きを読む事実上の標準なHaskell処理系であるGHCに貢献するというのが去年掲げた目標だったが、それがようやく実現したので報告する。ついでに、最近のGHC開発状況についても簡単にまとめてみる。
続きを読む昨日からオンラインで「技術書典9」が始まっています。昨今のアレで今回はオンラインです。だめぽラボでは1年ぶりに技術書典に出展しています。
今回は既刊「Haskellで戦う競技プログラミング」の改訂第2版を出したほか、新刊「浮動小数点数小話」を出します。
続きを読む競技プログラミングでは、提出したプログラムが誤答(WA)だった場合に「どのような入力について」答えを間違えたのか(参加者には)分からないことが多いです。
こういう場合はエスパーするなり眼力でソースコードをぐっと睨んだりするとバグが発見できる場合もありますが、初心者にはそういうのは難しいでしょう。
この記事では、HaskellのQuickCheckというライブラリーを使って、「ランダムにテストケースを生成して素朴な解と一致するか」を自動で検証させます。QuickCheckはテストに失敗した場合に「どういう入力例に対して失敗したか」も教えてくれるので、デバッグにも役立ちます。
この記事は筆者が先日YouTubeに上げた動画を文章で書き直したものです。動画で触れられなかった・触れるのを忘れていた補足説明みたいなものも若干含んでいます。この記事と動画、両方見ていただけると嬉しいです。
続きを読むHaskellはリストを操作する関数を多数提供しています。map, filter, foldあたりが代表的で、これらは他の言語でもおなじみかと思います。
一方で、scan系関数(scanl, scanr)は他の言語ではあまり見かけない気がします。同じ関数型言語のSMLやOCamlにも標準では入っていないようです。
この記事では、scan系関数がどういう場合に利用できるかを紹介します。
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