先日の技術書典6では、新刊「LaTeX文書処理自動化ツールClutTeX 使い方とその仕組み」を無事に(ほぼ)完売することができました。現地で手に取ってくださった皆様、(現地またはBOOTHで)購入してくださった皆様、ありがとうございました。
新刊の電子版(PDF版)をBOOTHで販売中です:LaTeX文書処理自動化ツールClutTeX 使い方とその仕組み – だめぽラボ – BOOTH
目標
今回の目標は「ClutTeX本を出して知名度向上を狙う」とした。
今回はサークル参加するべきかどうか結構迷った。「同人誌を出す」という目標は前回達成したし、今回は書き溜めた連載はない。ただ、作っているソフトウェア(ClutTeX)を広めたいという気持ちはあったので、サークル参加してClutTeXの解説本を出すことにした。
被チェック数の推移
ほぼ前回と同様の経過を辿ったのではないかと思う。
- 4月6日(8日前) 34
- 4月9日(5日前) 47
- この日が入稿締め切り
- 4月10日(4日前) 55
- 4月11日(3日前) 61
- 4月13日(1日前) 71
- 4月14日(当日) 99
- 最終値105
ジャンルの違いや頒布価格の違いはあるが、被チェック数が前回と同様なら、今回も同様の部数が捌けるだろう(少なくとも、極端な差は出ないだろう)。というわけで、印刷部数は前回と同じ100部にした。ちなみに、今回も早割には間に合わなかった。
価格設定
前回は部数と価格設定に悩みまくったが、今回は薄い本であるということ、そしてページ数が少ないので印刷費が安く済むということから、そんなに深刻に悩むことはなかった。
ページ数は40ページ前後になりそうなので、価格はキリのいい金額で500円か1000円が良い。その上で、手に取ってもらいやすさを考えて500円。それ以上下げると印刷費が回収できない。
今回もダウンロードカードを用意することにした。前回は「紙書籍」「紙書籍+電子版」「電子版」を分けたが、今回は全ての紙書籍に電子版(ダウンロードカード)を付属させることにした。
電子版単体を販売するかは悩んだが、300円で販売することにした。
売れ行き
紙の書籍を100部刷って91部売れたので、ほぼ完売だった。ありがとうございました(2回目)。
ClutTeX本 紙+電子版 (¥500) | ClutTeX本 電子版のみ (¥300) | 代数的数 電子版のみ (¥1000) | |
11時台 | 21 | 3 | 2 |
12時台 | 23 | 3 | 2 |
13時台 | 12 | 0 | 4 |
14時台 | 17 | 0 | 5 |
15時台 | 11 | 4 | 1 |
16時台 | 7 | 0 | 1 |
合計 | 91 | 10 | 15 |
今回の技術書典は最初の2時間の一般入場が有料だった。それと関係あるのかはわからないが、比較的遅い時間まで混雑が続いていたと思う。
「かんたん後払い」の利用率は、28%程度だった。
FAQ・補足事項
販売中に聞かれたことなど:
- TeX Liveへの収録:一応収録されている。
- latexmkとの関係:ClutTeXはlatexmkと競合関係にある。
- ClutTeXは書いたLaTeX文書の処理を支援するツールであって、執筆支援ではない。
TeX Liveのバージョンと、インストールされるClutTeXのバージョンの対応は次のようになる(はず):
ClutTeXのバージョン | |
TeX Live 2018 | 最新版にアップデートすればv0.2が入る。 v0.3を使いたければ手動でインストール |
TeX Live 2019(ネットワークインストール) | 最初からv0.3以降が入る(…といいなあ) |
TeX Live 2019(DVD等によるインストール) | 最初はv0.2が入り、アップデートでv0.3以降が入る |
その他反応:
- 「LaTeX」に反応したのか「懐かしい」と言ってブース前を通り過ぎる来場者が時々いた。大学でレポートや卒論にLaTeXを使ったが就職後は使っていないという層だろうか。そういえば技術書典6では「LaTeX」を掲げるサークルはうちだけだった気がする。
既刊の再販
既刊「代数的数を作る」の紙書籍はないのか、という声が若干あった。
そういう声があるのはありがたいが、同人誌の印刷は部数によって大きく単価が変わるため、少数だけ追加で刷るというのは現実的ではない(具体的には、100部刷るのと20部刷るのでは単価が倍違う)。かといって大量に刷ってしまうとお金がかかるし、在庫も抱えることになる。
(印刷所にデータが残っていて「再版」できる場合は若干安くなるのかもしれないが、どうせなら内容を修正して改版したい)
というわけで、「代数的数を作る」を追加で刷るには、印刷費に投資してくれるファンの方でもいないと現実的ではない。
…というようなことをTwitterで呟いていたら、「オンデマンド出版 (Print On Demand) という手がある」と教えていただいた。オンデマンド出版自体はすでに知っていた(Amazonで買ったペーパーバックの洋書が Printed in Japan だったことがあった)が、同人誌でもオンデマンド出版をできるところがあるらしい。今後検討したい。
今後
表紙のデザイン、フォント、LaTeXクラスファイル等をもっとこだわりたかったが、時間が足りなかった。早割も使えなかった。新刊に早割を使うのは無理では?
書きたいネタはたくさんあるので、今後も同人活動を続けていきたい。今後もだめぽラボをよろしくお願いします!
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謝辞
前回に引き続き今回も手伝ってくれた売り子氏に感謝します。当日の売り子のほか、ステッカーの発注とか色々手伝ってくれました。