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MacBook Pro (Late 2013) のSSD換装

現在メインで使っているMacBook Pro (Late 2013)のSSDを換装した。(実際に作業したのは2月上旬)

目次

このMacBook Proについて

私がメインで使っているマシンは、6年前に買ったMacBook Pro (Late 2013) である。

Apple公式オンラインストアでMacを買う際には、スペックをある程度カスタマイズができる。メモリに関しては標準より多い16GBを選択した(これを買う前に使っていたMacBookはメモリを最大6GBしか積めなくて辛かった)。

一方、ストレージに関してはカスタマイズせずに256GBのモデルにした。

前に使っていたMacBookはHDDを換装して1TBにしていたのでそれと比べると256GBは狭いが、SSDの容量を増やすと値段が跳ね上がる。写真などの大容量のデータは面倒でも外付けHDDに入れれば良いということにして、多少我慢してでもお金を節約することにした。

また、メモリは換装できないが内蔵SSDは交換できる、みたいな情報をどこかで見た(伏線)ので、購入時のカスタマイズではSSDよりもメモリの増設を優先した。

それから6年。MacBookも世代交代が進み、このLate 2013モデルも古さを感じるようになった。具体的には

  • USB Type-C/Thunderbolt 3に対応していない
  • グラフィック性能が低い(4Kディスプレイに60Hzで出力できない)
  • macOS CatalinaのSidercarの対象外になった
  • 最新のMacBook ProにはTouch IDがあって羨ましい
  • 動画編集をするには圧倒的にスペックが足りない

などだ。

そしてそれ以上に困るのが、SSDの容量が少ないことだ。ちょっと重たいアプリケーション(具体的にはWebブラウザ)を使っているとDisk Fullが頻発し、その度に再起動したりアプリケーションを終了させてメモリを空ける必要がある。内蔵ストレージが256GBは人権がなかった。

SSDの空きがないと、メモリ使用量が増大した時に「「「詰む」」」

内蔵SSDを空けるための涙ぐましい努力の一部は過去の記事にも書いた:

まあすでに6年も使ったのだからそろそろ買い換えても良さそうだが、今はタイミングが良くない。次のモデルチェンジで「物理escキーを持つMacBook Pro」が誕生するかもしれない。なので今すぐ買い換えたくはない。でもSSDが狭いのは辛い。そうだ、SSDを換装しよう!

SSDの換装の準備

このモデルのSSD換装については昔調べたことがあるが、秋葉館で売られているサムスン製の換装用SSDはやたら高かった(5万円以上した)。しかし、改めて調べてみると割安な(2〜3万円で買える)換装用SSDが出ている。これは換装してみても良いのではないか?

ググったりしてもう少し詳しく調べてみると、この世代のMacBook Proの内蔵SSDは端子の形状が特殊で、市販されているm2 SSDをそのまま取り付けることができない。しかしアダプターを介せば市販のm2 NVMe SSDを取り付けることができるらしい。

秋葉館で「秋葉館オリジナル」として売られているのはm2 NVMe SSDとアダプターのセットのようだ(アダプター自体はAmazonとかでも買える)。

内蔵SSDの形状が特殊ということは取り外したSSDを外付け用ケースに入れて使うことができないということでもある(単なるストレージとして使う必要性は少ないだろうが、万が一の場合に元の内蔵SSDからブートしたり内容を参照したりできると安心だ)。まあサムスン製のSSDなら対応外付けケースが↓で売られているようだが、個体によってSSDのメーカーが違うのでそういう場合は使えない。

TranscendのJetDriveというのだったらケースとセットでSSDが売られているようなので、どうしても取り外したSSDを外付けで使いたい、というのであればそれが最善手だろう。

今回は取り外したSSDを無理に外付けで使う必要はないと思ったので、「秋葉館オリジナル」のセットを買った。

macOSのバージョンにも注意する必要がある。私のMBPに入っているのはmacOS 10.14 Mojaveだが、まっさらなSSDを取り付けた後だと製造時のOSが古すぎて新しいSSDを認識しないんだったか、インターネットから最新のmacOSを取ってきて10.15 Catalinaが入ってしまうんだったか、なんだかそんな話だった。なので、USBメモリ等で10.14のブートメディアを作っておくと良いらしい。

ただ、そもそもSSDの残量が少ないので、OSのアップグレードをしたりApp StoreからMojaveを改めてダウンロードしたりすることができない。そこで、別の方法を取ることにした。

これから設置するSSDの端子はm2 NVMeなのでその辺で売られている外付けケースを利用できる。そして、古いSSDのままMBPをブートした状態で、外付けケースに入れた新しいSSDにデータをコピーする。コピーが終わったらいよいよSSDを交換し、MBPを起動する(実際に起動する前に外付けの状態から起動できるか確認した方がいいかもしれない)。

というわけで、秋葉館のセットとは別にNVMe SSD用のUSB外付けケースを買った。5000円未満で買えた。(m2 SSD用のケースはNVMe専用のやつとSATA専用のやつがあるので注意しよう。安いやつはSATA用だったりする)

あとはもちろん忘れてはいけないのがドライバーだ。このMacBookの裏蓋を開けるには普通のプラスドライバーやマイナスドライバーではダメで、星型の特殊なドライバーを使う必要がある。また、内蔵SSDのネジは六芒星みたいな形の溝が6つあるタイプ(ヘクスローブ)らしい。というわけで、ドライバーも秋葉館で買った(物自体はAmazonとかでも買えるはず)。

秋葉館で買った、SSD換装セット(m2 NVMe SSD + アダプター)とドライバー2本
その辺のアキヨドで買った、NVMe SSD用のケース(5000円弱)

換装

手順は

  1. 買ったSSDを外付けケースに入れる
  2. データを移行する
  3. 外付けケースからSSDを出し、MacBook Proの内蔵SSDと交換する

という流れになる。

まずはSSDを外付けケースに入れる(手順1)。何も迷うことはない。「やるだけ」だ。(強いて言えば、この段階でSSDに付属した放熱シートを貼っても良かったかもしれない)

新しいSSDを外付けケースの基板に取り付ける

手順2のデータの移行に関しては、ディスクユーティリティでの「復元」がうまくいかなかった(最近のMacでは「復元」はサポートされていないらしい?)ので、Time Machineで行った。SSDの読み書き速度は速くても、Time Machineのバックアップ先はHDDなのでその速度に縛られる。ワクテカしながら正座待機しよう。

手順3のMacBook開腹に関しては、ググったら色々出てくる。筆者は

を参考にした(MacBook開腹以外の、データ移行のやり方などは違う)。

まずは10箇所ぐらいあるネジを回して、裏蓋を開ける。ネジを緩めてもすぐには外れないので、「テレホンカード」あるいはそれに類するものを使うと良い。

MacBookの中は、ファンの周辺に埃が溜まっている可能性があるので、ついでに掃除すると良いだろう。ただし息を吹きかけるのはやめたほうが良いらしい。

SSDを換装する前に、バッテリーのコネクタを外しておこう。筆者はコネクタの部分に紙を挟んで接触しないようにしておいた。

MacBook Proのバッテリーのコネクタと、挿さっている旧SSDと、新SSD(および外付けケースの基板)

あとはまあSSDを交換すれば良い。詳しくは写真を見てくれ。

取り外した旧SSD、新SSD&アダプターと、外付けSSDケースの基板。旧SSDと新SSDの端子の形が違うのがわかる
新SSDにアダプターと放熱シートを取り付けた様子。旧SSDと寸法がほぼ同じになる

新しいSSDをMacに取り付ける際には、かなり奥まで挿し込まないとネジで固定できない。頑張ろう。

SSDの換装完了。あとは裏蓋を閉じるだけ

SSDの換装を終えて裏蓋を閉じれば、Macが起動できるようになっている(データの移行はすでに済んでいるので)。お疲れ様でした。

SSDを換装すると「新しいマシン」扱いになるようで、おなじみの「Macを設定」みたいなやつが出てきた。Dropboxも新しいマシン扱いになるので、無料プランで3台以上で使っている人は注意しよう。

換装を終えて(感想)

換装後はトラブルもなく起動でき、SSDの空き容量も増えていた。あっけない気もするが、トラブルがないことに越したことはない。

SSDの容量の心配をしなくても良いのはすごい。人権を感じる。でかいGitリポジトリをチェックアウトしたり、Unity等のでかい開発ツールをインストールできる。仮想マシン用の仮想HDDも気兼ねなく作れる。~/.stack/ の掃除とか考えなくて良い。

結論:大容量SSDは正義。

技術書典7に、Haskellで競技プログラミングをやる本を出します

今週末の9月22日(日)に池袋で開催される技術書典7に、新刊「Haskellで戦う競技プログラミング」を出します。既刊「LaTeX処理自動化ツールClutTeX 使い方とその仕組み」も改訂して紙の本を頒布します。

技術書典7について、公式サイトより引用:

日時 2019/09/22 (日) 11:00〜17:00
場所 池袋サンシャインシティ 展示ホールC/D(文化会館ビル2/3F)
主催 TechBooster/達人出版会
一般入場は11:00~13:00のみ有料です。詳細はこちら

技術書典7

気になる方はサークル詳細からチェックリストに入れてください:

当サークルが配置されたのは「し03D」です。今回の技術書典は2Fの展示ホールDと3階の展示ホールCで行われますが、当サークルは2Fの展示ホールDです。会場が1箇所だった前回と同じ場所です。

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AtCoderで青色になった

7月7日のAtCoder Beginner Contest 133で青色になりました。青色というのは上位7%に相当するらしいです。

「水色に上がった」記事からまだ1ヶ月ちょっとしか経っていないので、新しいHaskellネタも「青色に上がるためにこれを勉強した」みたいなネタもないのですが、適当に自分語りでもしてお茶を濁そうと思います。

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HaskellでAtCoderに参戦して水色になった

3月下旬からAtCoderのRatedコンテストに参加しています(AtCoderプロフィール)。この度、5月26日のABC128でようやく水色になりました(AtCoder社長の記事によると、これは上位15%に相当するらしいです)。

使用言語はHaskellです。コンテストの時間中に提出したコードは全てHaskellだったと思います。

この記事では、Haskellを使う理由や、Haskellで競技プログラミングをするコツ、AtCoderでHaskellを使う際のアレコレなどを書いていきます。「水色になるための方法」みたいな話はしません(できません)。

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技術書典6の振り返り

先日の技術書典6では、新刊「LaTeX文書処理自動化ツールClutTeX 使い方とその仕組み」を無事に(ほぼ)完売することができました。現地で手に取ってくださった皆様、(現地またはBOOTHで)購入してくださった皆様、ありがとうございました。

新刊の電子版(PDF版)をBOOTHで販売中です:LaTeX文書処理自動化ツールClutTeX 使い方とその仕組み – だめぽラボ – BOOTH

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技術書典6に、ClutTeX(LaTeX文書処理自動化ツール)の本を出します

4月14日(日曜日)に池袋で開催される技術同人誌即売会「技術書典6」に、「だめぽラボ」としてサークル参加します。

技術書典6(公式サイト)

サークル詳細 | だめぽラボ | 技術書典 ←気になる方はサークルチェックリストに入れてください

サークル(だめぽラボ)としてのページ:https://lab.miz-ar.info/

日時と場所について

公式サイトより:

日時 2019/04/14 (日) 11:00〜17:00
場所 池袋サンシャインシティ2F 展示ホールD(文化会館ビル2F)
主催 TechBooster/達人出版会
一般参加は11時~13時のみ有料

https://techbookfest.org/event/tbf06

当サークルの配置は か15 です。

頒布物について

筆者が作っているLaTeX処理自動化ツール「ClutTeX」についての本を出します。

利用ガイドの他に、LaTeX処理の自動化に関する知見を詰め込んでいます(第3章)。そのため、単なるマニュアル以上の価値があるかと思います。

この他、既刊「代数的数を作る 根と因数分解のアルゴリズム」のダウンロードカードも販売します(紙の本は販売しません。紙の本は見本として置きます)。なお、既刊は BOOTH でも購入可能です: https://damepo-lab.booth.pm/items/1051034

さらに、新刊または既刊をお買い上げの方に、「だめぽラボステッカー」を配布します!今回の技術書典で購入してくださった方のほか、過去に技術書典またはBOOTHで既刊をお買い上げくださった方も対象です。その際はその旨をお伝えください(感想もあれば嬉しいです)。