自宅のインターネットをIPoEにした

自宅のインターネット回線について、回想も含めていろいろ書く。

昔話

東京に引っ越して最初の2年間は学生寮に住んでいたのでそこの回線を使っていた。その頃、モバイル回線として今は亡きイーモバイルを契約した。スマホは持っていなくて、ガラケー+iPod touch+モバイルルーターみたいな感じだった。

3年目からはアパートでの一人暮らしとなったわけだが、そのアパートはいわゆる「インターネット完備」な感じではなかった。つまり、光回線を通すには工事が必要で、そのためには大家さんに許可を取る必要がある。人に電話するのが苦手な筆者は許可を取るのを面倒臭がって、1年間ほどイーモバイルのLTE回線を自宅のメイン回線として使っていた。

(なので自宅に固定回線を引かない人の気持ちはある程度わかる。)

しかし、結局モバイル回線は遅かったり通信量制限があったりして辛かった。 そういうわけで筆者はついに重い腰を上げて大家さんに電話し、あっさりと工事の許可をもらい、アパートに光回線を通したのだ。それが2014年くらいのことだった。

さて、時代はIPv6である。新しいもの(新しい規格)好きな筆者としては、自宅の回線でもIPv6を使えるようにしたかった。auひかりとかだと普通にIPv6が使えるらしかったが、NTT系の回線だと何やら事情が複雑らしい。

IPv6の接続方法はPPPoEとIPoEがあって、PPPoEだと「IPv6トンネル対応アダプター」なる謎の機器が必要で、IPoEは変な機器は必要ないがその時点で利用できるプロバイダーは限られていた。

しかし、Atermのルーターの中に「トンネルアダプター内蔵」(Aterm WG1800HP2)なモデルがあることを知って、それを使えば追加の機器なしでもIPv6環境が整いそうだ。そういうわけでAtermデビューして家でもIPv6が使えるようになった(2015年11月ごろ)。この辺の話は過去の記事にも書いた:

ちなみに、このルーターには「ホームIPロケーション」という機能がある。要はDDNSの代わりに使える機能で、ドメイン名は選べない(一般公開するサーバーには向かない)が外出先から自宅にアクセスするには十分に使える機能だった。自宅のNASやRaspberry Piやらデスクトップ機に外からアクセスできて便利、というわけだ(もちろんVPNやSSHで暗号化はする)。

関連してWake on LANやUSBポートをNASっぽく使える機能やら、いろいろ高機能なルーターだった。VPNサーバーはなかったが、それはNASの方で用意できるので問題なかった。

今の話

さて、この春引っ越しをして、ついでに光回線を(100Mbpsだか200Mbpsの契約から)1Gbpsの契約に変えた。これでインターネット回線も早くなるぞー、と思ったのだが……。

昨今のコロナ禍で、自宅からビデオ通話や動画視聴をする人が増えたのか、思ったほどの速度が出ない。深夜4時とかだと200Mbpsとか300Mbps出ているようなので、回線自体はちゃんと最大1Gbpsになっているはずだ。ということは、やはり利用者が多いせいで遅くなっている、ということだろう。

先日の型システムなんとかもそうだったが、今後オンラインでのイベントや動画配信が増えていくとなると、高速なインターネット回線を確保することは死活問題である。

最近は最大10Gbpsを謳う回線が登場している。しかし、1Gbpsを謳う回線でさえ数Mbpsしか出ない時があるのだから、最高速度が上がったところで実際の速度がどのくらい出るのかは不明だ。そもそも10Gbpsの回線は個人で導入するには月額料金が高い。

別の方向性として、数年前から噂されているIPv6 IPoEを使う、と言うのがある。使っているプロバイダーは、5年前の段階ではIPoEに対応していなかったはずだが、いつの間にかIPoEサービスを標準提供するようになっていた。つまり、対応ルーターさえ家に設置すればIPoEが使えるようになる。

最近その辺で売られているルーターにはIPoEに対応しているものが多い。ただ、新しくWi-Fiルーターを買うとなると、新規格(Wi-Fi 6 (11ax), WPA3)や最近普及しつつある上位規格(10GBASE-T)に対応したものが欲しくなってしまう(対応機種を持っていなくても!)。そうすると数万の出費になってしまう。

IPoEでどのぐらい高速化されるのかわからないのに、数万する新規格のIPoE対応ルーターを買うか、安いけど新規格に対応しないIPoE対応ルーターを買うか、というのはどちらにしてもあまり嬉しくない選択だ。悩む。

そういう時に見つけたのが、プロバイダーの「IPoE対応ルーターのレンタル」だ。条件を満たせば無料で借りられるらしい。申し込みをしたら1日か2日で届いた。

届いたルーターはこれまで使っていたのと同じAterm系で、WG1200HS3というやつだ。シリーズの中では割と廉価なやつだろうか。WG1800HP2よりもひとまわり小さい。有線LANは4ポートから3ポートに減ったが、どっちみちNASやらラズパイやらの接続ですでに4ポートでは足りなくなっているので関係ない(スイッチングハブを持っている)。

機能面でも、USBポートは付いていない(ので簡易NASもない)し、ホームIPロケーションやDDNSもない。USBポートはともかく、IPoEでIPv4 over IPv6をすると自宅へのIPv4でのアクセスが難しくなる(後述)ので、DDNS系の機能は省かれているのかもしれない(Atermの上位モデルを見てもDDNS系の機能はなさそうなので、単に下位モデルだから、というわけでなさそう)。

セットアップは簡単で、ONUからのLANケーブルをルーターの [WAN] に挿すだけだ。プロバイダーから提供されるIDやパスワードを入力する必要はない。Wi-Fiの設定については引っ越し機能的なものがあるかもしれないが、設定項目を一通り確認したかったので有線LANでパソコンとつなぎ、自前で改めてセットアップすることにした。

IPoEの方式はいくつかあるらしいが、うちの回線の場合は transix / DS-Lite と判定された。

回線の速度だが、速度の低下しやすい夜間で数Mbpsだったのが、一気に200Mbps超えを達成した。素晴らしい!

結論:インターネットが遅い場合はIPoEにすると速くなる。

ただ、IPoE回線でIPv4 over IPv6をする場合には留意すべき点もある。

外から自宅へのアクセス

IPv6に関しては、自宅には普通にグローバルなIPv6アドレス(のプレフィックス)が降ってくる。ルーターの設定をいじってパケットを通すようにすれば良いはずだ。

注意点として、NASの機能でDDNSをすると、そのドメイン名が指す先は「自宅のネットワークの入り口であるルーター」ではなくて「自宅のNAS」そのものになる。NASの機能でDDNSをしたホスト名でラズパイにアクセスする、ということはできなさそうだ。

外からIPv4でアクセスする場合は問題だ。自宅にはグローバルなIPv4アドレスがないので、外からはIPv4でアクセスできないということになる。対策としてはIPv4 PPPoEセッションを張ってグローバルIPv4アドレスを獲得する、くらいしか思いつかない。

多分外で使うネット環境がIPv6だったら問題ない。今契約してるIIJmioの回線はIPv6が使える。実家の回線もIPv6対応だったはず。その辺の公衆無線LANは怪しい。

まあ、当面は自宅にいることが多いと思うので、外からの自宅アクセス問題は棚上げしようと思う。

なお、NASにアクセスするだけだったら、QNAP NAS場合はQNAPの提供する機能でできるようだ。サーバー側でリレーしてるのかもしれない(関連:後述の「イニシャルB」の記事)。

参考資料

参考にした記事や書籍をいくつか挙げておく。

IPv6で直接NASにつなげばいいじゃん! IPoE IPv6環境では外部からNASへアクセスできない?を検証してみた【イニシャルB】 – INTERNET Watch


1 thought on “自宅のインターネットをIPoEにした

  1. ピンバック: 自宅のネットワークに外からアクセスする方法を考える | 雑記帳

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