自宅のインターネット回線については前(2020年5月)に記事を書いた:
が、その後(2021年初頭)引っ越しをして、引越し先の集合住宅では無料のインターネットが使えるのでそれを使っていた。ただ、これは建物内の配線が謎で、最大100Mbpsしか出ない。IPv6も使えない。しかし、光回線を別に契約すると月に数千円かかること、実測で数十Mbpsは出るのでオンラインのビデオ会議にもそんなに支障はないことから、無料インターネットを使っていた。この辺の事情は今年の2月にも記事を書いた:
しかし、その時と比べると状況が変わった。
まず、勤め先から「在宅勤務手当」が出るようになった。月に数千円という程度で、光回線の料金を賄うのにぴったりである。
そして、NTT東のフレッツ光クロス(10Gbps回線)のエリアが広がって居住地をカバーするようになった。
さらに、携帯回線で使っているIIJmioのmio光も10Gbps回線に対応するようになった(9月4日から申込開始)。
これはもう「在宅勤務手当を使ってmio光で10Gbps回線を契約しろ」というお告げでは?(安さを目指すなら他の回線業者も調べてみるべきだったかもしれないが)
というわけで、9月4日に早速「IIJmioひかり・10ギガ」を申し込んだ。ただ、賃貸なので工事の可否が問題で、光回線の業者と管理会社の間で私を間に挟んで何往復かやり取りするのに時間がかかった(回線業者と管理会社の間で直接やり取りできんのか?)。
そんなこんなで、10月下旬の某日に光回線の工事に来てもらった。管理会社からのお達しで「壁に穴は(ネジ穴も含めて)開けられない」という前提なのでそもそも工事できるか不安だったが、エアコンのダクトや洗濯物干しの器具にうまいこと光ファイバーを取り付けて配線が完了した。
ルーター
10Gbpsの性能を生かすには、対応したルーターも必要である。
WAN側は最低でも2.5Gbps対応、なるべく10Gbps対応していて欲しい。そして、LAN側にも2.5Gbps or 10Gbpsの端子が生えていて欲しい。
まあ、あまり選択肢は多くない。Atermの白いやつにした。市場にはWi-Fi 7対応のWi-Fiルーターが出ているのに対してこれはWi-Fi 6Eなので若干古い感は否めないが、十分だろう。
Aterm WX11000T12 | 製品一覧 | AtermStation [Amazon]
(IIJmioひかりのレンタルでも同じものを借りられるようだが、申し込んだ時点では選択肢になかったので別途購入することになった。)
ちなみにこれまで使っていたのは同じくAtermのWG1800HP2である(昔の記事でも言及した)。古いのは分かっていたが、100Mbpsの回線では買い換えるモチベーションが湧かなかったのである。
スイッチングハブ:10Gbpsか2.5Gbpsか
ルーターによってはLAN側の端子が複数ついており、パソコンが複数あっても対応できる。しかし、うちは機器が多いのでルーターの端子だけでは足りず、スイッチングハブを使っている。
Atermの白いやつもLAN側は4端子だけで、しかもマルチギガビットに対応しているのは1端子だけである(残りの3端子は1Gbps止まり)。複数の機器で10Gbps通信したかったら、やはり10Gbpsに対応するスイッチングハブが必要である。
しかし、全ポート10Gbpsに対応するハブはそれなりの値段がする。TP-Linkの安いやつ
でも3.3万円(執筆時点)だ。レビューによると発熱もなかなかのようだ。
一部が10GbEのハブもある。例えば、バッファローのこれ
LXW-10G2/2G4 : スイッチングハブ | バッファロー [Amazon]
だ。しかし、これも発熱が結構あるようだ。また、発売が2019年なので、若干古い。
そもそも、私の家には10GbEに対応した機器はまだないのである。今後Macを買い換える際に10GbE対応のものを買う可能性はあるが、その程度だ。2.5GbE対応機器ならいくつかある。
そういう状況なので、2024年の時点では、たとえWANが10GbpsであってもLAN内は2.5GbEで抑えておくという選択肢は十分アリだろう。フル10Gbpsはおそらく一般のご家庭にはまだ早い(SSDで構成されたNASか、自宅データセンターでも持っていれば話は別なのかもしれないが)。
というわけで、PLANEXの8ポートの2.5GbEのスイッチングハブを買った。
8ポート 2.5GBASE-T スイッチングハブ|FX2G-08EM2 [Amazon]
集合写真も載せておく。右奥が今回買ったWi-Fiルーター、真ん中がONU、左奥がスイッチングハブ、左手前がミニPC、右手前がこれまで使っていたWi-Fiルーター(大きさの比較用)である。
速度計測
平日昼間に測定。Macに2.5GbEのLANアダプターをつけて計測した。
Googleのやつ:下り1380.3Mbps、上り1097.9Mbps
https://www.speedtest.net/result/16941136887 下り1357.45Mbps、上り810.11Mbps
fast.com: 下り900Mbps(fast.comでは1Gbps超えの数値は出なかった)
これまでが数十Mbpsだったことを考えると、10倍以上の速度が出ているので満足である。
おまけ:外からのアクセス
昔は外から自宅にアクセスするためにあれこれ苦心(グローバルアドレスの確保、VPNのセットアップ)していたが、今はTailscaleでいいじゃんという感じになりつつある。自宅サーバーがやりたければCloudflare Tunnelというやつもあるらしい(自宅サーバーがセキュリティー的にどうかという問題は別にして)。便利な世の中になったものだ。
おまけ:NASについて
昔買ったQNAPのNASは最近は電源も入れず、置物と化している。買ったのは2015年とかだった。
普段使いするパソコンが増えてきた(MacBook, Mac mini, WindowsのミニPC)のでNASがあると便利なのだが、いくつかの点で不満を感じている:
- 最近は2.5GbE対応のNASが増えてきたことを思うと、1GbEのNASは古い
- Tailscaleに公式対応していない(ラズパイ等を踏み台にすればいいのか?)
- 機種固有の問題ではないと思うが、QNAPのNASはUnixからSMB接続してもファイルの実行属性がいい感じになってくれない(一方、Mac同士だとSMB接続でも実行属性がいい感じになってくれる)
なので、新しいNASが欲しいな〜〜と思っている。候補はQNAPならこれだ:
TS-262 | Intel デュアルコア 2.5GbE マルチメディアNAS、M.2 PCIeスロットおよびPCIe拡張性を装備 | QNAP [Amazon]
まあ、新しいNASを買ったところで「動作音のする機器が作業環境の近くにあると快適さが落ちる」という問題は解消しないが。設置場所を工夫する必要がありそうだ。
お金の問題もある。今回は数万円するルーターを買った。欲しいものは他にも色々ある(iPhone、Mac)。無限にお金が欲しい。