鳥海山登山

私が学部生の頃(10年ほど前)、鉄道旅の折に羽越本線の車窓から見えた山が立派だった。調べたらその山は鳥海山というのだった。その時から私にとって鳥海山はいつか登りたい山になった。

ただ、東北は学生の気持ちとしては遠く、なかなか行く機会に恵まれなかった。所属していた登山サークルの夏合宿で鳥海山の計画が立ったこともあったが、その時は何らかの事情で参加できなかった(人数の関係で遠慮したのか、日程が近い別の山行に誘われていたからだったのか)。

時は流れ、会社の人と山に行きたいですねという話になった。どうせなら私が登ったことのない山ということで、鳥海山に白羽の矢が立った。10年越しの夢を叶える時が来た。

目次

計画

鳥海山にはいくつか登山口があるが、今回は最もポピュラーと思われる、「鳥海ブルーライン」の鉾立ほこだて登山口から登ることにした。

鳥海山はコースタイム10時間程度で、日帰りで登る人もいるようだが、相方はそこまで登山経験者というわけではないのと、どうせならゆっくりしたいと思って、一泊することにした。

私が山で泊まる時はテント泊のことが多いが、鳥海山の上の方にはテント場がない。したがって山小屋に泊まることになる。

今回のコース上にある山小屋は御浜小屋か山頂御室(どちらも神社が運営する)で、後者の方が収容人数が多い。また、山頂に近いと山頂でご来光を拝める可能性もあるので、山頂に泊まることにした。

山頂に泊まるためには朝のうちに登山口を出発しなければならない。夜行バスという手もあるのかもしれないが、ここは前日のうちに移動しておいて山麓で一泊することにした。

登山口までは乗合タクシーもあるが、下山後の移動の自由(温泉や食事処に立ち寄る)を考えてレンタカーを借りることにした。

0日目(7月21日):移動

行きは上越新幹線と特急「いなほ」を使った。上越新幹線の長岡〜新潟間に乗るのは初めてだった。越後の山はよく知らないのだが、山の上の方には雲がかかっていたのでどっちみちわからなかった。

新潟駅での乗り換えは、同一ホーム上での対面乗り換えだ。中間改札機に切符を通し、待っているいなほに乗り込む。

新潟駅新在乗り換えホーム

特急いなほに乗るのは初めてだったが、座席の前後の間隔が狭いと感じた。私が比較的よく使う在来線特急は北陸線特急、中央線特急、常磐線特急などで、Wikipediaで確認したところ確かにそれらよりも狭いようだった。あとは、座席にコンセントがないのは今となっては見劣りしてしまう(グリーン車にはあるらしいが)。

車窓は良い。私は日本海沿いの席を陣取った。海岸が間近に見えたり、日本海の島が見えたりする。

日本海
粟島

羽越本線もなかなか面白い路線で、単線区間と複線区間が混ざっているほか、複線対応のトンネル等構造物が単線で使われている区間があったり、複線用のトンネルが使われずに放置されていたりする。あと、村上駅で電化方式が切り替わる関係で照明が一旦暗くなった。

乗っていたいなほは本来秋田行きだったが、鶴岡付近でアナウンスがあり、他の車両の不具合のため(?)酒田で運転を打ち切るとのことだった。我々は酒田が目的地なので大丈夫だったが、秋田まで行きたかった人は大変そうだ(普通列車は動いていたので、彼らは普通列車で目指すことになるのだろう)。

酒田駅の改札内は以前来た時とそんなに変わらないが、外観は新しくなっていた。酒田駅で相方と合流し、駅近くでレンタカーを借りる。

酒田駅構内

レンタカーは最初は私が運転することになった。前回いつ運転したのか覚えていないが、数ヶ月ぶりの運転である。

国道7号を北上し、吹浦ふくらの「鳥海温泉 遊楽里ゆらり」を目指す。この日の鳥海山は雲に隠れていた。

チェックインした後、近くの漁港まで散策した。夕日が綺麗だった。

夕日

1日目(7月22日)

朝、ホテルの窓からは鳥海山の上の方まで見えた。これは期待できそうだ。

ホテルをチェックアウトして、鳥海ブルーラインを登り、鉾立登山口を目指す。

9時前に到着した鉾立登山口の駐車場はすでに満車だった。このうちどれくらいの人が日帰りで、どれくらいの人が泊まりなのだろう。

トイレに行き、登山届をポストに入れ、歩き始める。麓からは晴れているように見えたが、実際に来てみると曇っていた。

登山口

歩き始めてしばらくすると滝が見えるという展望台があったが、ガスっていたのでスルーした。ブルーラインの少し南の方にある大平登山口ではなく鉾立登山口を選んだのは左手に滝が見えるかもしれないからだったが、登りに関してはその目論見は果たされなかった。

展望台

登山道は整備されており歩きやすい。やたらトンボが多い気がする。

途中、登山道の脇に雪渓が残っていた。大人数のパーティーが休憩している。雪渓の残る賽の河原というところが最後の水場のようなので、水を補給する。今回持参する水分は水3Lと500mL入りペットボトルだ。消費する水の量は炊事を除いて一人一日2Lと考えると、ギリギリかもしれない。

御浜小屋に到着。水が500円で売られている(量は書かれていないが、価格の大半を占めるであろう運搬コストがジュース類と同じと仮定すると500mLだろうか)。鳥海湖の見える位置にザックを下ろして一休みする。

御浜小屋

鳥海湖の周辺にはほとんど雪渓は残っていなかった。丸い湖の中に島がある。帰りは鳥海湖寄りの道を歩くのも手だが、その場合御浜小屋には立ち寄れない。

鳥海湖

行く手には、雲の隙間から鳥海山の山頂が見えた。

登山道の脇にアザミが生えていた。チョウカイアザミというやつだろうか。

チョウカイアザミ

登山道は御田ヶ原に向けて一旦登り、その後下り、そして外輪山に向けて再び登る。

外輪山をしばらく登ったところに、ルート分岐がある。谷の雪渓を渡って新山頂上を目指す千蛇谷ルートか、外輪山ルートか。我々は千蛇谷ルートを行った。

千蛇谷ルートは谷へ向かってジグザグに降りていく。せっかく稼いだ標高が勿体無いが、仕方がない。そして雪渓の上を慎重に歩く。特別な装備はなくても大丈夫そうだ。

雪渓を越えたらまた登りだ。頂上小屋に向けて最後の登りだと考えて、ひたすら登る。時々休む。

小屋への最後の登り

14時前、小屋にたどり着いた。相変わらずトンボが飛んでいる。荷物をデポして、山頂へアタックする準備をする。

御室

サブザックに最低限の荷物を入れて、身軽になった。実質空身と言える。山頂付近は岩場とのことだったので、持参したヘルメットを被る。ヘルメットを被っている人は他にもそれなりにいた。

小屋から山頂は岩が重なったような感じで、いかにも火山である。手足を使って登る。アスレチックだ。小物を落としたら回収できないだろう。

一旦岩塊の隙間へ降下していく場面もあった。

そして新山山頂に立つ。

山頂も岩で、あまり大人数は滞在できない。岩に「2236m 新山」と書かれている。外輪山が見渡せる。雲の隙間からわずかに下界が見えるか。「鳥海山 2236m」と書かれた木のプレートを持って写真を撮ってもらう。

下りは、登ってきたルートを慎重に引き返す。後から知ったのだが、山頂へは別のルートもあるようだ。

小屋に戻り、受付を済ませる。今回は2食付きにした。登山客が多いので食事の時間は3回に分けられ、我々は17時半の回だった。

我々に割り当てられた就寝スペースは大部屋の1区画だった。コロナ前は最大で150人のキャパでやっていたが、コロナ対策で人数を100人に絞っているそうだ。

敷地の一画に「鳥海山頂美術館 Chōkai Mountain Museum」と銘打たれた建物があり、写真が飾られていた。おしゃれだ。

建物の中では携帯の電波は通じにくかったが、建物の外ではドコモの電波は入った。相方はソフトバンクで、外でも通じなかった。

鳥海山と言えば高山植物である。高山植物を漫然と眺めるのではもったいないので、今回は高山植物の本を持ってきていた。それを片手に、手近な花を特定しにかかる。

ミヤマキンバイ、イワブクロ、シラネニンジン、チョウカイフスマ、イワギキョウ、などなど。

ミヤマキンバイ
イワブクロ
シラネニンジン
チョウカイフスマ
イワギキョウ
本に載っていた内ではヨツバシオガマかミヤマシオガマに近いが、特定には至らず

時間がある時、水場のあるキャンプ場ならばお湯を沸かして飲み物でも飲むところだ。そう思ってガスと調理器具も持ってきた。しかし水が貴重な山域でそんなことはできず、結局持ってきた調理器具は無駄になった。

我々が食事付きにしたのには、無料の水場がないという理由もある。自炊したところで水を購入する必要があるのだったら、あまり金銭的なメリットは大きくないだろう。一方、外で調理しているパーティーもいた。

夕食はご飯、味噌汁、それに魚や山菜を含むおかずだった。食事付きで山小屋に泊まるのは本当に久しぶりだ。高校時代に父親と一緒に泊まった薬師岳山荘以来ではないか。

夕食

食事中に山小屋の方から話があり、食事は交代制なので、「ゆっくり急いで」食べてほしいとのことだった。ご来光を見たい人は、山頂のスペースの関係から、新山ではなく外輪山の七高山がおすすめ、とのこと。前の週末も予約がいっぱいだったそうだが、天候が悪くてほとんどキャンセルだったらしい。今週は晴れてよかった。

夕食後、温かいお茶が一人一杯頂けた。貴重な水分だ。

相方は今日のうちに七高山の方に行ってみるとのこと。私は小屋でのんびりする。iPhoneで夕空を撮りながら、iPhoneの写真は過剰に鮮やかだなあという風なことを考えていた。

iPhoneで撮った夕空

小一時間待った後、帰ってきた相方が言うには、七高山の登りは結構ガレているとのこと。明日の朝どうするかという話だが、私の判断で(新山ではなく)七高山でご来光を見ることにした。相方には何回も七高山を登らせることになって申し訳ない。

小屋からは布団は支給されず、シュラフを持参することになっていた。他の人がマットを敷いているのを見て、今回マットを持ってこなかったことに気づく。まあ仕方がない。

消灯時間は大部屋の人たちで適当に決めてくださいとのこと。20時前には消えたのではないかと思う。

夜はなかなか眠れなかった。せめて目を閉じて体を休める。

そのうち、人が話しているのが聞こえた。満天の星だとかなんとか。実は今回、一眼レフに加えて三脚を持ってきていた。夜中に晴れたら星を撮るためだ。

時刻は21時過ぎ、カメラと三脚を持って外に出る。相方も起きてきた。果たして空には見渡す限りの星、天の川がくっきり見える。

いて座とさそり座

海で光っているのは漁船の灯りだろうか?島にも灯りがついている。

夜の日本海

一通り撮り終わると、戻って休んだ。流石に日周運動の撮影までしていたら寝不足になる。

相変わらずなかなか眠れない気がするが、眠っている間は意識が飛ぶので、気づかないうちに寝ていたのかもしれない。

2日目(7月23日)

3時半に起床。その前、朝の3時にアラームを鳴らしている人たちがいたが、相方は気づかなかったようだ。

45分に七高山に向けて出発する。ヘッデン行動だ。

登りは確かにガレているが、私が懸念したほどではなかった。

稜線上は風が強い。強風の中で日の出を待つと体が冷えるのではないかと思ったが、七高山の山頂は西からの風を避けられるようになっていた。

4時6分に七高山の山頂に到着。七高山の山頂はそれなりの広さがある一般的な山頂という感じで、「鳥海山 七高山頂」とか、いろいろ立っていた。三角点もある。西側には昨日登った新山も見える。こちら側の斜面には雪が残っていた。

七高山から見た新山

日の出を待つが、着いた当初は晴れていたのに途中からガスってきた。近くに見えていた新山も見えなくなる。それでも、37分ごろから雲の薄いところに太陽が見えるようになってきた。徐々にはっきりしてくる。

日が上ってしばらくすると、晴れていれば「影鳥海」が見えるそうだが、ガスっていて見えない。

朝食の時間があるので、50分ごろ、小屋に戻り始める。もうヘッデンは要らない。

5時半に朝食。小屋の人が「今日は残念でした」と言って苦笑いを誘う。朝食はご飯、味噌汁、それに海苔と生卵と漬物、あとおかず。ありがたく頂く。

朝食

6時ごろ、準備を整えて出発する。さっき降りてきた外輪山の斜面を再び登る。

稜線は相変わらずガスっていた。行者岳、伏拝岳、文珠岳を次々と通過。途中何箇所かハシゴがあった。

行者岳
伏拝岳
文珠岳

右手の下の方に昨日通ってきた千蛇谷ルートが見える。歩いている人が小さく見える。

すれ違ったパーティーが「これがチョウカイフスマか」と話していた。彼らはここで初めてチョウカイフスマを見たようで、つまり我々がこれから下山するルートではチョウカイフスマは見られないということだ。

標高を下げていくうちに、昨日通った千蛇谷ルートの分岐を通り過ぎる。

分岐

その先の分岐では御浜小屋を経由するルートか鳥海湖の脇を通るルートか選ばないといけないが、ガスっていて景色が期待できないと思ったので、今回も御浜小屋を経由することにした。

分岐

しかし御田ヶ原を過ぎたあたりからだんだん晴れてきて、下界が見えた。秋田県側が見える。そして日本海の水平線がかなり高い位置に見える。良い眺めだ。

御浜小屋と日本海
秋田県側

御浜小屋に到着。トイレに行く。

振り返ると山頂が晴れているのが見えた。もう少し早く晴れてくれれば、と思うが、仕方がない。

首の後ろが日焼けのせいか、ヒリヒリする。日焼け止めをもっと惜しみなく塗るべきだった。あるいは塗っても汗で落ちるのか。

再び賽の河原。持ってきた水は(行きで補給した分も含めて)なんとか足りた。追加の補給の必要もないだろう。

しばらく歩くと、登山者がカメラを地面に向けて構えている。よく見ると、小動物がいた。これはオコジョというやつか。これまでの登山でライチョウは何回も見たことがあったが、オコジョを見るのは初めてだった。

このオコジョは人間に対する警戒心が薄いのか、人がいる登山道周辺をちょろちょろ動き回っていた。我々も写真や動画を撮る。

オコジョに別れを告げ、さらに進むと、鉾立登山口の駐車場や建物が見えてきた。しかし見えたからといって近いわけではない。休憩を重ねて進む。

ついに登山道が舗装されたものになる。あともう少しだ。

行きでガスっていた展望台は今回は晴れている。足が限界に達していた私は展望台のベンチに座り込んだ。

展望台からは滝が見えた。山頂も見えた。滝と鳥海山をバックに写真を撮ってもらう。良い山だ。

滝と鳥海山

いつまでも休んでいたい気分だった。しかしそういうわけにもいかないので、やがて重い腰を上げた。

下山後はビジターセンターに立ち寄ったが、疲労のせいか展示内容があまり頭に入ってこなかった。頭が働かないのは良くない兆候だが、なんとか下山できたので良しとする。

下山後

相方に車を運転してもらって、吹浦の日帰り温泉「あぽん西浜」に行った。これは前泊に使った「鳥海温泉 遊楽里」の隣の建物で、遊楽里の宿泊客は「あぽん西浜」の温泉にも入れるようになっている。というかサウナや露天風呂は「あぽん西浜」の方にしかない。

山の中で、鳥海山のTシャツを着ている人を何人か見かけた。しかし山小屋ではTシャツを売っていないので、それを購入できるのは下界ということになる。案の定「あぽん西浜」の売店で鳥海山のTシャツが売られていたので購入する。

温泉で汗を流した後は、隣の食事処に入る。お昼時で人がいっぱいだったが、なんとか座れた。隣のテーブルも登山客のようだった。

私はあっさりしたものを食べたい気分だったのでざるそばを頼んだ。薬味をつゆに入れ過ぎて辛かった。

相方が買ったアイスを食べるのに忙しいので、私が再びレンタカーを運転する。途中の道の駅でお土産でも買えないかと立ち寄ったが、駐車場がいっぱいで断念した。お土産は酒田駅のニューデイズに頼るしかない。

レンタカーを返却し、酒田駅に戻る。売店でそれぞれのお土産を確保した。

相方は早く東京に戻りたいので、行きと同じくいなほに乗って帰る。一方私は、運賃を安くするために一筆書きの乗車券を買ったので、陸羽西線を経由して山形新幹線に乗る。なので、相方とはここでお別れだ。また会社でよろしく(私はリモート勤務だが)。

酒田駅や、この後立ち寄る新庄駅は、みどりの窓口がなくなって「話せる」指定席券売機だけになっていた。地元の人はどう思っているのだろう?指定席券売機で買えない切符はいろいろあると思うが(学割とか、私が今回使った一筆書き乗車券もその類ではなかったか)、オペレーターに繋げば買えるのだろうか?そんなことを考えながら、余目駅までの240円の切符を買う。

酒田駅の跨線橋からは鳥海山がよく見えた。

相方が乗った特急が去った後のホームには、観光列車「海里」がやってきた。4両編成とは、それなりに需要があるのだろうか。

私の帰りはまず、羽越本線の普通列車に乗り込む。羽越本線のこの区間は、電化されているにもかかわらず普通列車にディーゼル車が使われていることで私の中で有名だ。その辺の事情は何年も前に乗った時も今も同じようで、やってきた車両にはパンタグラフがなかった。ただし車両はGV-E400という新型だ。

座席は鳥海山が見える方を陣取った。東酒田駅付近からは、鳥海山がよく見えた。私が初めて鳥海山を見たのと同じ車窓だ。ただしあの時は冬で、鳥海山は雪に覆われていた。

余目あまるめ駅に到着。ここで陸羽西線の代行バスに乗り換える。陸羽西線は道路のトンネル工事の関係で、鉄路は運休中なのだ。本来の陸羽西線のホームの線路には草が生えていた。

余目駅のPRは、前に来た時は「おくりびと」ロケ地一辺倒だった気がするが、今回来てみると清河という幕末の人間(新撰組にも関係するらしい)の押しが強くなっていた。前に来た時に印象に残らなかっただけかもしれないが。

代行バスの利用者はちらほらいた。途中の駅で乗ってくる人もいた。途中の古口駅で5分ほどトイレ休憩があった。

陸羽西線代行バス

今回、鳥海山が最後に見えたのは代行バスの車窓からだった。さようなら、また会う日まで。

車窓から山形の他の山、月山などが見えるのではと期待したが、曇っていてわからなかった。

代行バスは最上川沿いを走り、高規格なバイパス道路を通り、新庄駅に到着。指定席券売機で、スマホで予約しておいた山形新幹線の特急券を発券する。

新庄駅併設の建物に、鉄道関連の展示スペースがあった。体験型で、子供も楽しめそうだ。ただしじっくり見る時間はなかった。

家に帰るのは遅くなるので、移動中に夕ご飯を食べておきたい。ニューデイズで駅弁と飲み物を買う。

ホームで待っている山形新幹線「つばさ」号に乗り込む。正面がシルバーの編成だった。山形新幹線は一応全線乗ったことがあるのだが、10年以上の昔だ。改めて乗るとなかなか面白い。

銀色の「つばさ」

山形新幹線の在来線区間は、在来線なので、車窓との距離が近い。田んぼや畑が間近だ。もちろん、在来線特急と思えば別に不思議なことではない。

在来線区間は単線と複線が混じっているのだが、曲線で速度の出ない区間が優先的に複線化されているような気がする。板谷峠の区間とか。

峠の区間の駅のスイッチバックの痕跡とかいうやつも見えたが、一瞬なので写真には撮れなかった。いつかじっくり見られる日は来るのだろうか?

列車は福島駅で「やまびこ」と連結し、東京に向けて時速275kmで走り出した。

雑感

山行の印象は天候に大きく左右される。今回は最良とまでは言わない(影鳥海は見られなかった)が、なかなか良い方だったのではないか。

加えて、珍しい動物に出会えるとポイントが上がる。今回初めてオコジョに出会えたのは嬉しい。

今回登ってみて、下山後にも麓から見えて、鳥海山は改めて良い山だと思った。登山道も、整備されたルートがあり、雪渓があり、岩場があり、ハシゴがあり、なかなか飽きない。

今回の移動では上越新幹線&特急いなほに加えて山形新幹線にも乗れたので、 乗り鉄的な満足度も高かった。

ヤマレコ: