Bamboo Slate を買った

現代の情報化社会に生きる我々にとって、電子的にノートを取りたい、あるいは、手軽にノートを電子化したい、というのは自然な欲求である。

最近だと iPad Pro + Apple Pencil を使っている人をちらほら見かけるが、 iPad Pro は高い。iPad Pro 12.9インチモデル + Apple Pencil を買うと、最低でも10万円は超える。9.7インチモデルはもう少し安いが、A4の半分程度のサイズなので狭そう。

そんな中、筆者のアンテナに留まったのが、最近出た、ワコムの Bamboo Slate という製品である。バインダーみたいな板 (Slate) の上に紙を置いて、専用のボールペンで書くと、紙のノートに加えて電子的なノートも取れる。

Bamboo Slate は、一年くらい前から発売されている Bamboo Spark というやつの姉妹品らしい。Slate には Spark と比べて

  • でかい。Spark はA5サイズなのに対し、 Slate はA5サイズとA4サイズの2種類がある。なお、 Spark のような2つ折り形態でA4サイズの製品としては、 Slate と同時に発表された Bamboo Folio がある。
  • 軽い。Spark は一番軽いやつでも 535g なのに対し、Slate はA5モデルが 264g で、A4モデルが472g である。
  • 薄い。2つ折りとかいいから、とにかく薄いのをくれ。

というメリットがある。以前量販店で見かけた Spark では筆者の食指は動かなかったので、これらの点は大切なのだろう。

下調べ

実際に購入を決断する前に、ネットで下調べをした。ただ、登場して日の浅い製品なので、レビュー記事はそこまで多くない。近所(大都会)の家電量販店にも行ってみたが、A4サイズのモデルに触れるところはなかった(たぶん)。

利点:

  • すでに書いた紙を机の上に並べて、それを参照しながら書くというのが容易である。ちなみに、iPad でノートを取る場合は画面が1枚しかないのでこれが難しい。
  • ガジェット欲を満たしてくれる(大事)

欠点:

  • 専用のボールペンを使う必要があり、そのボールペンの書き心地は必ずしも最良のものではない。

懸念事項(ネットのレビュー記事を見てもイマイチわからなかった):

  • ボールペンの書き心地は実際どんなものか。
  • ボールペンの替え芯はどういうのが使えるのか。
  • 持った感じの重さはどれくらいなのか。(仕様によると、本体が 472g だそうだ)
  • SVG 形式でエクスポートするには Inkspace Plus という有料サービスに加入する必要があるようだ。PDF 形式のエクスポートは無料でもできるが、では、それで得られる PDF は中身がベクター形式なのか、それともラスタライズされているのか。

買ったもの

Bamboo Slate large (CDS810S) \ドーン/img_3129 img_3133

写真に写っているレゴブロックは大きさ比較用(分かる?)。

買ってみて思ったが、もしかしてこの手の製品のコンセプトはがっつりノートを書く用ではなくて、メモ用紙を電子化しよう、的な感じなのか?(気づくのが遅い)(それなら最初に出た Spark がA5サイズなのも納得)

軽く使ってみた

説明書に従って、本体を充電しつつ、手持ちの iPad (第4世代)とペアリングする。

ボールペンについて

付属ボールペンの書き心地は…。やはり普段使っているボールペンと比べると劣る。太さも少し太い(0.5mmくらいだろうか?)。あと、芯の部分は若干押せるようになっていて、書き心地に影響していそうだと思った。

wcm0006

専用ボールペンについて

替え芯については、付属するものからは MiniStar 156 D ISO 12757-2 DOC SWISS TC M という文字列が読み取れた。気が向いたらこれの互換品を探すかもしれない。

本体について

ペンや紙をどうやって留めるのか、写真だとよくわからなかったが、何のことはない。赤い部分がポケットの口のようになっていて、そこにペンのクリップやレポートパッドの裏表紙を挟むようになっているのだった。ちなみに、付属する紙はまんまレポートパッドっぽい感じだった。

wcm0005img_3139実際に持ってみた感じは、割と軽い。大きさ・厚さの割に軽いと言うべきか。

ソフトウェア的な面

使い方としては、とりあえず Bamboo Slate のボタンを押せば、認識なり転送なりが行われる。iPad 側のアプリで分割・結合ができるので、押し忘れがあってもそんなひどいことにはならないと思う。

書いたものがリアルタイムで iPad 側に反映されるやつ(ライブモード)は、始める前に iPad 側での操作が必要である。一旦書き始めたものを途中からライブモードにすることはできなさそうに見える(新規ページ→後から結合 という手順を踏むことになる)。

iPad 側のアプリは、一応、オンラインサービス的なやつ (Inkspace) に登録しなくても使える。オンラインサービスに登録すると実際何ができるようになるかは、今後のブログ記事で書くかもしれない。

iPad から Mac への画像・PDF ファイルの転送は、 AirDrop を使うとめちゃくちゃ簡単である。AirDrop 自体に Bamboo は関係ないが、便利だ。

「懸案事項」に書いた、 PDF エクスポートの件だが、 Inkscape で開いたところ、パスの集まりとして認識された。ラスタライズされた画像を埋め込んだだけの PDF ではなかった、ということだ。つまり、 Inkspace Plus を解約してもベクターデータは得られる。


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