圏論の本

【2018年12月 追記】新しい記事を書きました:圏論の入門書(2018年版)

【2018年9月8日 追記】この記事の情報は2014年2月時点のものであり、古くなっています。この記事以降、和書でも圏論の本がいくつか出てきました(中には「焚書すべき」と言われるほど酷いものもあるようですので注意してください)。最新の情報が知りたかったら、ググって出てきたより新しいページを参考にするなり、この記事のコメント欄に書き込むなりしてください。【追記終わり】

圏論について書かれた本について、私が知っているものをいくつか紹介してみる。ただし、私自身でちゃんと読んだことのないものについては中身の紹介はできない。このうちのいくつかは、知人やTwitterのフォロワーさんに教えていただいた。

  • Steve Awodey, Category Theory, 2nd ed., Oxford University Press, 2010
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    • 入門向き。
    • ラムダ計算に触れている。ほか、論理式にも触れている(量化子と随伴の関係など)。
    • 随伴がこの本のラスボス的立ち位置。随伴の章の後にMonadとAlgebraの章がある。
  • F. W. Lawvere and S. H. Schanuel, Conceptual Mathematics: A First Introduction to Categories, 2nd ed., Cambirdge University Press, 2009
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    • (ちゃんと読んだことはないが)入門向きだと思う。
  • S. Mac Lane, Categories for the Working Mathematician, 2nd ed., Springer, 1998
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    • 中・上級者向け。
    • 圏論を勉強している人なら、読んだことはなくても名前ぐらいは聞いたことがあるだろう。
    • このブログ中ではCWMと略している。
    • 以前の記事で書いたように、SpringerのサイトでDRMなしのPDF版が買える。
  • S. マックレーン「圏論の基礎」三好 博之・高木 理 訳, 丸善出版, 2005年
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    • 上記Categories for the Working Mathematicianの邦訳。書店などで手に取った方も多いだろう。
    • 原著と比べて書名以外に大きな違いがあるのかは私は知らない。
  • 竹内 外史「層・圏・トポス」日本評論社, 1978年
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    • 日本語で書かれた本で書名に「圏」が入っているため、書店などで手に取った方も多いだろう。私もその一人である。
    • しかし、圏論自体の入門には向かない。私がそのように感じた理由は以下のとおり:
      • 具体的な圏の例が少ない。
      • 圏論の概念と、数学で使われている概念との対応があまり深く書かれていない。
      • 集合論的な基礎づけ(large, smallの別など)に触れていない。
    • トポスとかロジックに興味があるのであれば読む価値はあるかもしれないが、圏論についてまったくの初心者が1冊目に読む本ではないと思う。

当たり前の話だが、大学に所属している人は、買う前に図書館で見てみる・借りてみるのが良いだろう。

それぞれの本に貼ってあるAmazon.co.jpのリンクはAmazonアソシエイトのものなので、そういうのが気になる方は注意。


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