「集合\(A\)が有限集合であるとは、ある自然数\(n\)に対し、\(A\)と\(\{0,1,\dotsc,n-1\}\)の間に全単射が存在することである。一方、有限集合ではない集合は無限集合である。」
「存在量化子\(\exists\)の有限回の除去は通常の論理でできるので、選択公理が力を発揮するのはもっぱら無限集合が相手の時である。」
……本当にそうだろうか?
「集合は有限集合か無限集合のどちらかだ」という考え方は排中律的であり、構成的数学では考え直す必要がある。
この記事では、「無限」ではないが「有限」とも言えない集合について考えたい。有限集合の定義は最初に書いたものとする。無限集合のちゃんとした定義はしない。
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