日記」カテゴリーアーカイブ

~/.ssh/config

SSHでリモートホストにログインする際、ホストごとにユーザー名とかポート番号が違って(覚えるのが)面倒くさい!

$ ssh hoge@example.net
$ ssh -p 10022 user@example.com
$ ssh user2@192.168.11.5

そんなときは、 ~/.ssh/config を記述すれば、ホストごとにデフォルトのユーザー名とポート番号などを指定できる。

# User を指定
Host example.net
User hoge

# User と Port を指定
Host example.com
User user
Port 10022

# HostName で実際に接続するホスト名/IPアドレスを指定することもできる
Host hoge
HostName 192.168.11.5
User user2

書き方とかは man 5 ssh_config を参照。あるいはググればいろいろ用例が出てくる。

実は常識だったりするのかもしれないが、知らなかったのでメモしておく。

家のネットワーク環境を整えた話

最近、NASを買ったり無線LANルーターを新しくした。そこで、新しい機器の導入によって良くなったこととかを日記として書いておく。NASのレビューと無線LANルーターのレビューとVPNについてのあれこれとIPv6についてのあれこれが混ざっているが、日記なのでしょうがない。

この記事はチュートリアルとかではないので、「こういう環境でコレを導入して適切に設定したらうまくいった」とは書いても「適切な設定」の手順は書かない。

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UT-mateの使い勝手を上げるChrome拡張を作った

以前、UT-mateの使い勝手を上げるGreasemonkeyスクリプトを書いたが、それをChrome拡張化してみた。

Greasemonkeyのuserscriptも chrome://extensions/ にドロップすればなんか勝手に拡張として扱ってくれるようなのだが、一般人にuserscriptをダウンロードさせて chrome://extensions/ を開かせてうんぬんさせるよりはChrome Web Storeで入手出来るChrome拡張の方が導入しやすいだろうということで、Chrome拡張化してみることにした。

このuserscriptではGreasemonkey特有の関数( GM_* )は使っていないので、拡張機能の作り方のContent Scriptsのページを読んで manifest.json を適当に書いてやってパッケージしてやればChrome拡張になる。

Chromeの機能でChrome拡張のパッケージ(.crx)を作れるようだが、Chrome Web Storeで配布する際はzipアーカイブをアップロードすれば向こうで適当に .crx を作ってくれるっぽい。

作ったChrome拡張(とかWebアプリ)をChrome Web Storeで初めて公開するには、Googleに5ドルのみかz…登録手数料を払う必要がある。まあ一回払えばいくらでも拡張機能やWebアプリを公開できるからそんなに高くない…と思ったけど20個の上限があった気がするぞ…。

そんなわけで作ったChrome拡張がこちら。

Chrome Web Storeではなんかすれば課金もできるみたいだけど、この程度のアレで課金して誰もダウンロードしてくれないよりは、無料でダウンロードしてもらって自分の承認欲求を満たした方が良いなあと思った。

ちなみに、Chrome拡張化の際にuserscript本体はいじる必要はなかったが、UT-mateのページが仕様変更していたみたいで、そのための修正は必要だった。

Firefoxの人は従来通りGreasemonkeyを使って Better_UT-mate.user.js をインストールすれば良い。

Safariの人はTampermonkeyとかいうのを使えば良さそう。Safariの拡張機能でもChrome拡張と同じようなことができる感じがするが、Appleに登録か何かしないといけないようなので面倒くさい。

TeXでファイルの更新日時を取得する

TeXでは \today で現在の日付を取得できる。\maketitle\date を省略すると現在の日付になる。

しかし、TeX文書の「内容」に関わる日付と言ったら、ファイルの更新日時ではないだろうか。タイトルのところにファイルの更新日時を(自動で)出す方法はあるか。

ググってみたら割と簡単に答えが出てきた。

pdfTeXだと \pdffilemoddate というプリミティブがあるらしい。例えば \pdffilemoddate{\jobname} と書くとコンパイル中のファイルの更新日時が D:20150829212230+09'00' というようなフォーマットで取得できるようだ。

LuaTeXだと \pdffilemoddate はないが、Luaを使えば同じようなことはできるだろう。まあ自分でLuaコードを書いて実装するのは面倒なので、既製品を使おう。

filemodというパッケージはpdfTeXとLuaTeXで使えて、ファイルの更新日時を取得するだけじゃなくて、\today と同じような読みやすいフォーマットにしてくれるようだ。例えば、ファイルのプリアンブルに

\usepackage{filemod}
\date{\Filemodtoday{\jobname}}

と書けばタイトルの日付がファイルの更新日時になる。

複数のファイルの中で最も新しい更新日時を使いたいときは、試してないけど \filemodNewest を使えば良さそう。

既に書いたように、filemodパッケージはpdfTeXかLuaTeXが必要で、pTeXXeTeXでは動かない。

【2016年12月12日 追記】ε-pTeX では \pdffilemoddate を含むいくつかの pdfTeX primitive が実装されているため、 filemod パッケージを使うことができる。参考:ε-pTeX について

Macのストレージを空けた (2)

関連:Macのストレージを空けた

またMacのSSDの空き容量が減ってきたので、なんとかする。

duコマンドでホームディレクトリ以下を検査して、容量を食っているやつをチェックする。

~/Library/Application Support/MobileSync/Backup/

20GBくらい。

こういうバックアップの類はなるべく消したくないタチなので、できれば外付けドライブとかに移したい。ググったらシンボリックリンクを貼れば良いというのが出てきたが、リンク先のドライブが接続されてない場合の挙動が心配である。

というわけで今回はパス。

~/Library/Developer/Xcode/

7.1GBくらい。

中でも、 iOS DeviceSupport というサブディレクトリが6.3GBほど食っているようである。

ググって調べたところ、新しいiOSデバイス、または新しいiOSの入ったデバイスを接続すると iOS DeviceSupport の中身が増殖するらしい。

$ rm -r 7.1.* 8.0.* 8.1.*

のようにして、最新のバージョン(8.4)以外を削除。

古いHaskell Platform

7.10.2を入れたので7.8.3には消えてもらう。手順は前の記事に書いた。

TeX界隈のロゴをHTML+CSSで

TeXのロゴは、真ん中の“E”の文字が下に下がっていて、2次元的になっている。プレーンテキストではこういうのが表現できないので“TeX”のように小文字で代用するわけだが、HTML文書でそんなことをするのは甘えである。

そこで、HTML+CSSでTeXのロゴを再現してみよう。(TeXのロゴよりもLaTeXの方が見た目を調整する要素が多いので、ここでは、LaTeXのロゴで行う)

案1

愚直に、AとEの位置をCSSのvertical-alignプロパティーでずらした。

表示例: LATEX

コード例(見やすいように改行とか空白とか使ってインデントしている)
[code lang=”html”]
<span style="font-family: serif;">
L
<span style="vertical-align: super;">
A
</span>
T
<span style="vertical-align: sub;">
E
</span>
X
</span>
[/code]

案2

なんか本物はAの文字が小さい気がする。font-size: smallerを指定しよう。

表示例:LATEX

[code lang=”html”]
<span style="font-family: serif;">
L
<span style="vertical-align: top; font-size: smaller;">
A
</span>
T
<span style="vertical-align: sub;">
E
</span>
X
</span>
[/code]

案3

本物は文字の間隔が詰まっている気がする。letter-spacingを指定しよう。letter-spacingの値は、検討の余地があるだろう。

表示例:LATEX

[code lang=”html”]
<span style="font-family: serif; letter-spacing: -0.1em;">
L
<span style="vertical-align: top; font-size: smaller;">
A
</span>
T
<span style="vertical-align: sub;">
E
</span>
X
</span>
[/code]

案4

最近のSafari、そして直近のFirefoxにはリーディングモードだかリーダーモードが搭載されている。このモードではサイト側で指定したCSSがだいたい無効になる。そうすると、案1〜案3で書いたLaTeXはすべて大文字の“LATEX”になってしまう。これは好ましくない。CSS無効の場合は“LaTeX”になってほしい。

そこで、HTMLとしてはAとEを小文字で書いておき、CSSのtext-transform: uppercaseで見た目を大文字にする。

表示例:LaTeX

[code lang=”html”]
<span style="font-family: serif; letter-spacing: -0.1em;">
L
<span style="vertical-align: top; font-size: smaller; text-transform: uppercase;">
a
</span>
T
<span style="vertical-align: sub; text-transform: uppercase;">
e
</span>
X
</span>
[/code]

ちなみに、この方式で書いた“LaTeX”ロゴをブラウザからコピペした場合、Safariだとすべて大文字で、FirefoxだとAとEが小文字でコピーされた。

おまけ:XeTeX

XeTeXとかいうやつは2文字目のEが反転している。最新のCSS技術を使えば、特定の文字を反転させるのもお手の物である。

表示例:XeTeX

[code lang=”html”]
<span style="font-family: serif; letter-spacing: -0.05em;">
X
<span style="vertical-align: sub; text-transform: uppercase; transform: scale(-1,1); -webkit-transform: scale(-1,1); display: inline-block;">
e
</span>
T
<span style="vertical-align: sub; text-transform: uppercase;">
e
</span>
X
</span>
[/code]

おまけ:WordPressで

このブログはWordPressで動かしているわけだが、LaTeXに言及するたびに長ったらしいHTMLを書き込むのはだるい。また、「以前はこういう書き方してたけどやっぱりこの書き方の方がいいな」となったときにいちいちLaTeXロゴを使っている記事を探して置換するのはだるい。

そこで、WordPressのテーマをいじって、本文中に [LaTeX-logo] と書けばそれがLaTeXロゴを表すHTMLに化けてくれるようにしよう。(こういう風に “[” “]” で囲むやつを、WordPress用語でshortcodeと言うらしい)

テーマのfunctions.phpに以下を書き込む。何をやっているかは、雰囲気でわかるだろう。

[code lang=”php”]
function tex_logo_shortcode() {
return "<span style=\"font-family: serif; letter-spacing: -0.1em;\">T<span style=\"vertical-align: sub; text-transform: uppercase;\">e</span>X</span>";
}
add_shortcode( ‘TeX-logo’, ‘tex_logo_shortcode’ );

function latex_logo_shortcode() {
return "<span style=\"font-family: serif; letter-spacing: -0.1em;\">L<span style=\"vertical-align: top; font-size: smaller; text-transform: uppercase;\">a</span>T<span style=\"vertical-align: sub; text-transform: uppercase;\">e</span>X</span>";
}
add_shortcode( ‘LaTeX-logo’, ‘latex_logo_shortcode’ );

function XeTeX_logo_shortcode() {
return "<span style=\"font-family:serif;letter-spacing:-0.05em;\">X<span style=\"vertical-align:sub;text-transform: uppercase;transform:scale(-1,1);-webkit-transform:scale(-1,1);display:inline-block;\">e</span>T<span style=\"vertical-align:sub;text-transform: uppercase;\">e</span>X</span>";
}
add_shortcode( ‘XeTeX-logo’, ‘XeTeX_logo_shortcode’ );

function xypic_logo_shortcode() {
return "<span style=\"font-family: serif;\"><span style=\"letter-spacing: -0.2em;\">X<span style=\"vertical-align: sub; text-transform: uppercase;\">y</span></span>-pic</span>";
}
add_shortcode( ‘xypic-logo’, ‘xypic_logo_shortcode’ );
[/code]

真面目にやるなら

この記事ではなんとな〜くノリでロゴの見た目を調整したが、真面目にやるならTeXでの \TeX コマンドの定義を見て文字の大きさとか位置を調整するべきだろう。

ググったらそういうことをやっている人がいたのでリンクを貼っておく。

Xy-picとdvisvgm

LaTeXで図式を書くのに、Xy-picというパッケージがある。このパッケージで書いた図式を、dvisvgmコマンドでSVG形式に変換しようという話。

大まかな流れ:

  1. Xy-picで作った図式を含むLaTeXソースをコンパイルしてDVIファイルを作る。
  2. DVIファイルをdvisvgmコマンドでSVG形式に変換する。

今回ハマったポイント(結論):

  • Xy-picにはPostScriptやPDFなどのバックエンド(ドライバー)を指定しよう。
  • dvisvgmに--no-fontsを指定することでSVGファイルの文字を正しく表示できるようになる。

以下、結論に至るまでの過程: 続きを読む

Macの受信メールから自動でリマインダーを作成する

何日までに○○しなさいというメールが届いた!けどほったらかしておいたら期限を過ぎていた!そういう経験、あるよね?

library-mailそこで、そういうメールが届いたら自動でMacの「リマインダー」に登録されるようにしよう!という話。
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豊穣圏の教科書

最近、豊穣圏(enriched category)という概念に触れることがあって、それの標準的な教科書って何かなあと思ったら、G.M.Kelly “Basic Concepts of Enriched Category Theory”というのがそれっぽくて、しかも無料でPDFをダウンロードできるらしい。

MacLaneのCWMには豊穣圏の名前といくつかの例は出てくるけどちゃんとした定義は出てこない。まあ、ちゃんとした定義を書こうとするとモノイド圏(monoidal category)の定義をしてうんたらしないといけないようだが。

豊穣圏というのは(今の自分の理解で)大雑把に言うと、圏のhom-setに単なる「集まり」以上の構造が入ったものである。例えば、加群の圏には、それぞれのhom-setにアーベル群の構造が入っているので、アーベル群の圏 Ab でenrichされた圏の例となっている。

別の例を挙げると、各hom-setにゼロ射が入っている圏は、それぞれのhom-setに点つき集合の構造(ゼロ射が基点)が入っているとみなせる。つまり、ゼロ射を持つ圏は、点つき集合の圏 Set* でenrichされた圏と言える。

各hom-setに構造が入っていればいいというものではなくて、Ab-enriched categoryだと射の合成が双線形、Set*-enriched categoryだとゼロ射(hom-setの基点)を合成するとゼロ射、という風に、合成の方にも条件が付いてくる。この辺の条件を表現するのに、モノイド圏の構造が必要になる。

ガンマ関数の計算(Lanczos近似)

ガンマ関数とは、みなさんおなじみの、

  • \(\Gamma(z+1)=z\Gamma(z),\)
  • \(\Gamma(1)=1,\)
  • \(x>0\) に対し \(\log\Gamma(x)\)は凸

を満たす \(\def\Complex{\mathbf{C}}\Complex\) 上の有理型関数である。\(\DeclareMathOperator\Re{Re}\Re z>0\) に対しては、以下の積分表示がある。\[
\Gamma(z)=\int_0^\infty t^{z-1}e^{-t}dt
\]

階乗 \(n!\) との関係は\[
n!=\Gamma(n+1)
\]となる。

重要な公式としては、反転公式\[
\Gamma(1-z)\Gamma(z)=\frac{\pi}{\sin\pi z}
\]がある。特に、\(z=\frac{1}{2}\) とおけば \(\Gamma\left(\frac{1}{2}\right)=\sqrt{\pi}\) が得られる。

さて、コンピューターでガンマ関数の値を数値的に計算するにはどうすればいいのか。指数関数とか三角関数だとかは分かりやすい冪級数表示があったから良かったが、ガンマ関数にはそういうのはないのか。

いろいろググって調べた結果、ガンマ関数の近似方法として、Lanczos近似というのがあるらしい。が、ググっているだけではいまいちその実体が釈然としないし、導出方法もよくわからない。なので、Lanczosの原論文(1964)を読むことにした。大学院生という身分は便利なもので、大学の図書館でその論文にアクセスできた。

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