今更ながらiPhoneを買った。これまでの私の携帯電話はガラケーやAndroid端末だった。
私は高校の頃から15年ほどMac、つまりApple製品を使っている(iPod touchやiPadも使ってきた)。なのでこれまでiPhoneを使っていなかったと言うと意外に思われるかもしれない。
なぜiPhoneじゃなかったか、特に深い理由はないのだが、強いて言うならパソコンやタブレットと違って携帯電話に高いお金をかける気にならなかったというのはあるだろう。これまで使っていたAndroid端末も中古だったりミドルレンジのものだった。
転機となったのは、これまで使っていたPixel 3aのOSアップデートが降ってこなくなって新しいスマホを買う必要性が生じたこと、ボーナスでまとまったお金が入ったこと、などだ。
というわけでiPhone 14 Proを買った。ProにしたのはLiDARを試したかったからだ。本体のサイズは大きすぎないのが好みなのでMaxにはしなかった。
なんだかんだ言って私はiPod touchもiPadも使ってきたからiPhoneはそんなに目新しくない……と言いたいところだが、妻によると触っている時のにやつきは抑えられなかったようだ。
セットアップ
まずはWi-Fiのセットアップだが、近くにセットアップ済みのiPadがあればお互いの画面を写すんだかワンタイムコードの入力だかでApple IDの設定とWi-Fi接続情報の移行をやってくれる。まあApple製品との付き合いが長くなると特に驚きもない、空気みたいな便利機能だ。
SIMカードの差し替えは一番「スマホの移行」を感じる瞬間だ。SIMの入っていないスマホは魂が抜けている感じがする。
IIJmioのSIMで通信できるようにするにはAPN設定を行う必要があった。普段家にいる時はWi-Fiで通信できるので、気づいたのは買ってから数日経った後だった。
移行
最近のアプリ・サービスはデータがサーバー側にあるので「移行」というよりは「新しい端末でのログイン」というのが正しい。
というわけでアプリを入れてログインしまくるわけだが、パスワードは既にiCloudキーチェーンに保存していたり、MacのFirefoxのパスワードマネージャーからコピペできるので、画面上のキーボードで打ち込む場面はあまりなかったと思う。
さて、ここで問題になるのがLINEだ。LINEはスマホからは一台しかログインできないので、「移行」が必要になる。(とても2010年代に出てきた新しめのサービスとは思えない。)
それでもちゃんと移行できるのなら良いのだが、なんと異なるOS(iOS vs Android)間ではトーク履歴を最大で14日間しか移行できない。同じOS間であればGoogle DriveやiCloud Driveで移行できるようだが、iOS端末からGoogle Driveへのバックアップ機能ができないようになっていて、せっかくクラウドストレージを使っているのに残念感が極まっている。
一応古いトーク履歴はテキストファイルとしてエクスポートできるらしいのでそれで我慢するしかない。
こんな不便なメッセージングサービスが幅を利かせているのは日本の恥だ。とっとと滅んでほしい。
(この記事を書いている段階ではまだLINEの移行は行っていない。)
機能
超広角レンズ
一眼レフ用に超広角レンズを持っているが、これからはiPhoneで済むかもしれない。
Qi給電
昔(10年くらい前。Nexus 7とかの時代)買ったQi給電器があったので試してみた。が、給電器は平面なのに対してiPhoneはカメラの出っ張りがあり、密着しない。
- 無接点充電パッド QE-TM101 詳細(スペック) | 無接点関連商品 | Panasonic
- コイルが物理的に移動するので細かい位置を気にする必要がない、という代物。
なんとか密着させても、出力が5Wしかないので充電速度は遅い。寝る時に使えるかと思ったが、充電中に青く光るので寝室には向かない。
とはいえ、時代やらメーカーやらが違っても給電できるのはさすが共通規格という感じだ。
真面目に無線給電をやるならiPhone向けの給電器を新しく買うべきのようだ。MagSafeがいいのか、そうでなくても良いのか。
デメリット
十数万も出して買った高い端末だが、買う前からわかっている(それを承知で買っている)不満もある。
Lightning端子であること
これまで使ってきたPixel 3aがType-C端子なのと比べると、Lightning端子というのは明らかに後退だ(利用者目線)。
Lightningケーブル自体は今使っているiPad Pro用に何本か持っているので、「iPhoneのためだけに必要になる」というわけではないが、それはそれとして。
Lightning端子はケーブルの端子の耐久性に問題がある気がする。錆びるのかなんなのか、何本もダメにしてきた。
もう1年ほど待てばType-C搭載のiPhoneが出るかもしれないが、待ちきれなかった。もしType-C搭載のiPhoneが出たら今回買ったやつは下取りに出して買い替えるかもしれない。
「Lightningケーブル自体はもう持っている」と書いたが、外出先でモバイルバッテリーから充電する用の短いものを新しく一本買った。
普通のイヤホンが挿せないこと
最近のiPhoneには3.5mmオーディオ端子がない。昔のガラケーか?AirPodsを使えということなのか。
個人的にはBluetoothヘッドセットを使っていたこともあったが、充電の手間や接続先の切り替えが面倒だったり壊れたりで今は使っていない。
というわけで手持ちの有線イヤホンを使うためにApple純正の変換ケーブルを買った。純正品は見た目が弱々しい。耐久性に不安があるが、実際どうなんだろう。サードパーティー品もあるが純正品に比べて高い。
まあ同じイヤホンをMac, iPad, iPhoneで使い回すのも面倒なので、iPhoneのために専用の有線または無線イヤホンを買っても良いかもしれない。
スマホが置き換わる日は来るのか
スマホはすっかりコモディティー化して久しいが、「スマホ」、つまり手持ち型の情報端末が取って代わられるときは来るのだろうか?
考えられる方向性の一つは、人体により密着させる方向だ。ウェアラブルか、人体への埋め込みか。スマートウォッチとかスマートグラスとか。ただ、バッテリーと処理能力の点では手持ち端末(スマホ)に分がありそうだ。人体へ埋め込むのはアップグレードの観点から難がある(半導体の進化が止まったらアリかもしれないが)。
別の方向性は、環境の側を改造する方向だ。屋外の自然環境を情報端末化するのは無謀だが、住宅や車などの私的で閉じた空間を情報端末化するのは既に実現しつつある。
いずれにせよ、「そこそこ画面とバッテリーと処理能力が大きくて、どこでも使える情報端末」のニーズが消えることは当分ない気がする。