シンガポール日記

先月の記事に書いたように、10月にML Family Workshopで発表するためにシンガポールに行きました。

この記事は、現地でしたこと、感じたことなどをまとめます。

文中の「ドル」は「シンガポールドル(SGD)」のことで、滞在当時は1ドル122円程度で両替できました。

10月14日

妻と子供を妻の実家に預け、自分は羽田空港近くのビジネスホテルに泊まった。

10月15日:フライト

ホテルから車で羽田空港第3ターミナルに向かった。

駐車場(P5)はでかい。予約は結局取れなかったが、5階に空いているスペースを見つけて、なんとか止められた。車にカメラを忘れそうになった。

駐車場の3階に連絡通路がある。空港に向かう。出発は上の階だ。

羽田空港第3ターミナル

機械でチェックインして、預け荷物のタグを受け取る。

荷物を整理して、大きい荷物を預ける。荷物の量だけ見れば機内持ち込みできたかもしれないが、シェービングジェルのような液体・ジェルは持ち込めないのでそれは預け荷物に入れる必要がある。

保安検査の前に、持っていた飲み物を飲み干す。保安検査と出国審査を通過する。保安検査でベルトを外し忘れてブザーが鳴った。保安検査でブザーがなるとSHIROBAKOを思い出す。

出国審査の外のエリアは、ある意味日本であって日本ではない。トランジットホテルもあるようだ。

出発ゲートには余裕を持って到着した。充電スポットもあるようだ。自販機で麦茶を買った。

出発ゲート

ここにきて緊張が高まってきた。本当に飛行機に乗れるのか。本当にシンガポールに入国できるのか。うまく発表できるだろうか。しかし、心配しすぎても意味がない。準備したのだからなんとかなると信じよう。

事前に買っておいた現地のSIM(StarHub)はまだ本人確認が通っていない。現地についてから通信できなかったら困るので、念の為、AiraloのeSIMを追加で買った。StarHubで買った100GBには劣るが、とりあえず3GBのプランで買った。

搭乗時間になり、ゲートに搭乗パスをかざすが、バーコードの部分が折れ曲がったせいか読み取りがうまくいかない。再発行してもらった。曲がらないようにパスポートに挟むべきだったか。

飛行機へはバス連絡となる。同じバスに乗っている人皆が、それぞれの用事でシンガポールに向かう。不思議な気分だ。

飛行機に搭乗し、離陸する。飛行機に乗るのはこれで6回目だ。初めて乗った頃は振動に不安になっていたが、慣れてきた。

離陸

窓際の席を取ったが、離陸してしばらくすると景色はあまり見えない。雲か海だ。北・南大東島の付近を通ったが、真上を通ったのか窓からは島は見えなかった。反対側の窓からは見えたのかもしれない。台湾やフィリピンの近くも通ったのだろうが、シンガポールに近づくまで陸地は見えなかった。

フライトは7時間ほどになるので、機内食というやつが出る。機内食を食べるのは初めてだ。日本料理とフレンチを選べて、日本料理にした。

機内食
機内食の説明

おやつも出た。

おやつ(ハーゲンダッツ)

飛行機でどうやって時間を潰すか。機内Wi-Fiはエコノミークラスだと1時間しか無料で使えないようだ。妻と連絡を取ったりSNSを眺めたりしていたらすぐに1時間が過ぎた。お金を払えばその後も使えるが、ケチなのでその後はWi-Fiなしで過ごした。

Wi-Fiプラン

座席の前の端末では映像作品などを見られる。アニメだと、コナンの映画、機動戦士ガンダム(全体の中の4話だけ)などがあった。コナンの映画(隻眼の残像)は劇場で見たので、ガンダムを見た。

それでも時間が余る。動画配信サービスからiPhoneに何本か気になるアニメをダウンロードしておいたので、XREAL Airを使って見られないかと思ったが、いくつかの理由でできなかった。

まず、私が使っているiPhone 14 ProはLightning接続で、XREAL Airに繋ぐにはLightning-HDMIアダプターが要るのだが、なんとiPhone側でファームウェアをダウンロードしないとアダプターが使えない。さっきWi-Fiに繋いだときにダウンロードしておけばよかったが、失敗した。もっと普段から使っていればよかったのかもしれない。

じゃあiPhoneの画面で見られるかというと、それもできない。そもそもインターネット接続がないとライセンス確認が通らなくて、ダウンロード済みのものも見られないのだ。

帰国後に改めて確認するとこういうサービスは「日本国内だけで使えます」とか書いてあったりするので、インターネットに繋がっても国際線のWi-Fiでは使えないかもしれない。

結局、暇つぶしとしては電子書籍が強いということになった。ラムダノートの「ゼロから始めるLean言語入門」をiPhoneの小さい画面で読み進めた。

そうこうしているうちに、シンガポールの近くまで来た。島がいくつか見える。そろそろシンガポールか、というところで飛行機が旋回。空港が混雑していて待機するようだ。幸い、旋回は1回で済んだ。

シンガポール付近

シンガポールの地上が近づいてくる。道路が左側通行なことが見て取れた。鉄道の車両基地も見えた。

チャンギ(Changi)国際空港へ着陸。

飛行機を降りると、長い長い通路を歩かされる。「Arrival」の案内を目指してひたすら歩く。動く歩道(Travellator)もある。

入国ゲートでは、パスポートと親指の指紋を機械にかざす。親指を出すのがよく分からなくて、係員に数ヶ国語(日本語を含む)で「おやゆび!」と言われた。それ以上の手続きはなく、意外とあっさりしている。

壁に中国のクラウドの広告が貼られている。中国系資本の存在感も日本とは違うのだろう。

スマホで写真を撮っていて、シャッター音が鳴らないことに気がついた。日本以外では携帯電話のシャッター音が鳴らないという話は聞いたことがあるが、自分では操作しなかったので、自動で切り替わるらしい。どうやって国を判断しているのか。位置情報か、携帯の電波だろうか。

荷物の受け取り場所に向かった。同じ便で日本から来た人たちが一緒になって行動するのはここで最後だろう。自分の荷物は最後に出てきた。

税関っぽいものもあったが、必要な人だけ立ち寄るので良さそう。

買ったeSIMで通信はできているようだ。とりあえず電車(MRT; Mass Rapid Transit)の駅を目指す。MRTでどこまで行くか。もちろんホテルに向かうのだが、その前にStarHubの店舗に殴り込んでeSIMの本人確認が通ってない件についてごね…相談する必要がある。Orchard Roadのホテルを取っており、その近くにStarHubの店舗があるようなので、Orchardかその手前のSomersetまで乗るのが良いだろう。

チャンギ空港はターミナルが4つくらいあり、Skytrainという無人運転の電車で移動できる。そして、到着したターミナル1からMRTの駅に到達するにもSkytrainに乗る必要がある。Skytrainは運賃がかからないので改札もない。横方向のエレベーターのようなものだ。

Skytrainはコンクリートの路盤を(おそらく)ゴムタイヤで走る、日本だと新交通システムと呼ばれるやつだ。ゆりかもめや日暮里・舎人ライナーの仲間ということになる。

Skytrain線路

ターミナル2に到着、MRTの駅を目指す。すき家の予定地の脇を通った。日本企業もここでは外資か。

すき家予定地

ATMがあったので現金を下ろした。どのくらい必要になるか予想がつかないので、とりあえず10ドル下ろす。しかし、手数料がかかることを考えるともっと下ろしておくべきだった。

ATM

MRTの駅はプラットフォームがでかい。ホームと同じ階に改札がある。クレジットカード類の非接触決済で乗れるということなので、JAL Payのカード(Mastercardブランド)をかざす。スマホでも良いのだろう。

MRTの駅

空港に来ているMRTの路線はいわば支線のようなものだったようで、2駅で乗り換えとなる。

列車内を見渡すと、多様な人種の人が見受けられる。アジア系、白人、黒人、インド系。ヒジャブを被った人もいる。

また乗り換え。駅名をうまく聞き取れないことがあるので、スマホの地図で現在地を確認した方が良いだろう。

Somerset駅に到着。セブンイレブンの店舗があったり、ユニクロ新店舗の予告があったりする。

セブンイレブン
ユニクロ

外は蒸し暑い。さすが東南アジアといったところか。

信号のある横断歩道は白線のストライプではなく、領域の両端の点線で示されているようだ。

横断歩道

大通りを歩く。商店が並んでいる。Apple Storeも見える。StarHubの店舗を目指す。デパートの地下にあった。

Apple Storeなど
デパート的なやつ

StarHubの店員に相談してみるが、(本人確認は通っていないけど)通信できているみたいですね、ということになって拍子抜けした。

店員との会話で、「tourist」の発音が「ツーリスト」よりは「トーリスト」に近いことに気がついた。

ホテルに向かう。チェックイン。フロントには4人くらいいたが、みんな黒人だった。どこかから出稼ぎに来ているのだろうか。名乗りの代わりにパスポートを見せろと言われた。パスポートはこういうところでも使うのか。

シンガポールではエレベーターのことをliftと呼ぶようだ。イギリス英語である。建物の「階」はlevel (L) と表記されていた。

部屋にはトイレとシャワーがある。が、トイレにレバーがない。説明のない丸いボタンと小さなシャワーがある。調べてみると、丸いボタンで水を流すようだ。文化の違いか。

トイレ
部屋のコンセント(複数の規格が挿さる)

夕食を求めて出歩く。隣のデパートには日本食の店もいくつかあり、蕎麦屋なら手頃だろうということでそれにする。中華料理のレストランもあったが、価格帯が高そうで手が出ない。

10ドルの現金では夕食代にもならない。そばを食べながら、「これでカードが使えなかったら厄介なことになるな」みたいなことを考えていた。もちろんカード払いできたので食い逃げにはならなかった。会計時に日本語で「ありがとうございました」と言われた。「ごちそうさまでした」と言えれば気が利いていたかもしれないが、「ごちそうさまでした」に相当する英語が分からなかった。日本語で言うか、あるいは「Thank you」と言っておけばよかっただろうか?

その日は発表練習をして、シャワーを浴びて、寝た。

無線充電ができる時計

10月16日:発表当日

6:30くらいに起床。シンガポールの夜は比較的遅くまで明るかった気がしたが、朝は暗い。経度の問題か。

私は朝食がパンだとお腹が緩くなる体質なのだが、ホテルの朝食には米系のものもあって助かった。と言いつつ、フレンチトーストを食べたのだが。

朝食(バイキング)

ICFP/SPLASHの会場であるMarina Bay SandsへはMRTで乗り換えしつつ行ける。が、改めて経路をGoogle Mapで調べたらバスで直行できるようだ。8時前に出発。

バスの位置情報はアプリでわかるようなのでアプリを入れた。

バスの乗り方について軽くググったところ、シンガポールのバスは合図をしないと止まってくれないらしい。目的のバスが来たので合図して乗った。

バスもカードの非接触決済で乗れる。

Orchard Roadの大通りは(大体)5車線くらいあっても一方通行だ。免許のことは別にしても、余所者が運転するにはハードルが高そうだ。

Marina Bay Sandsに到着。屋上がつながっている3棟の有名な建物は道路の南東側にあって、ICFP/SPLASH会場のコンベンションセンターは北西側にある。

コンベンションセンター

コンベンションセンターはでかい。他のイベントもやっているようだ。エスカレーターで3階(L3)に到着。廊下に受付のテーブルがあったので、名札をもらう。登録した日にλが入っている。

名札(参加登録した日に「λ」が入っている)
ML Family Workshop会場

ML Family Workshopの部屋を確認した。ついにここまで来たと思うと、感慨深い。

ICFP/SPLASHのこの日のスケジュールは、まず9:00に共通の基調講演がある。Linuxカーネル開発の話だった。メタ変数を含んだパッチの話(これはどこかで聞いたかもしれない)。あとは並列処理の話。

その後の休憩時間(コーヒータイム)はケータリングで何か飲食物が出ているようだったが、こちらは発表の準備をしなければならない。座長や運営の人と挨拶して(名前の発音を確認された)、発表の準備をする。HDMI接続の確認など。電源はなさそうだ。会場に一般参加者が使える電源は見当たらなかった。

ML Family Workshopのセッションが始まる。前の人の発表を聞く。

前のセッションが若干長引いた。質疑応答の最中にスタンバイするように促され、ノートパソコンを持ってスタンバイした。

LunarMLの発表をした。私の発音がどの程度聞き取ってもらえたかは不明だが、言いたいことは大体文字に書いたから大きな問題はないだろう。

Keynoteが表示する時間的には、ちょうど25分で想定した内容を終えた。時間が余った場合に備えて追加のスライドも用意していたが、使わなかった。

問題は質疑応答である。聞き取りができないと答えようがない。結局、単語から質問内容を推測したり、聞き取りづらいときに「I’m not good at listening」と言って言い直してもらったりした。なんとか切り抜けられたようだ。

その後、発表を聞いていた人に話しかけてもらったりした。割と好評だったようだ。アジア系の若い人が追加で質問したい、とのことだったが、やはり聞き取りづらく、彼のパソコンで筆談することになった。彼は日本語もある程度できるようになった。「LunarMLの今後の予定は」(→やりたいことはたくさんあるが優先度まではまだ決めていない)「バイトコードVMを作ったらいいのでは」(→選択肢としてはアリ)みたいな内容だったか。

昼食の時間だ。ケータリングがある。東南アジア風の麺を食べた。他にも色々あったと思うが、詳しくは覚えていない。米もあった気がする。高い参加費を払ったのだから、たくさん食べて元を取らなければならない。というのは冗談だが、自分は胃袋が大きくないのでそこまで食べなかった。

次はHaskell SymposiumでSPJのjoin pointについての話を聞いた。座席に余裕があったML Family Workshopとは対照的に、こちらは立ち見が出ていた。Compiling with continuations系の論文はいくつか読んでいたので、私にとっては既知の内容もちょいちょいあったが、他の人には新鮮な内容だったかもしれない。ただ、時々差し込まれる「笑い所」に対し、聞き取りが下手だとうまく乗れないのが悔しい。

ML Familyの方に戻る。形式検証されたコンパイラーであるCakeMLの話をやっていた。これも気になる分野だ。あとで録画を見られるだろうか。

休憩時間。ベランダは湾に面しており、向こう岸にかの有名なマーライオンが見える。

ベランダの外
マーライオンが見える

Workshopが終わり、ポスターセッションと夕食の時間になった。

個人で来ていた日本人勢数名と交流した。わざわざ外国に来てまで日本人と交流するのか?と思うかもしれないが、プログラミング言語のコミュニティーが違うと普段日本では会わないので、日本人であっても有益な交流ができる。

そのほか、日本に住んでいる外国人に2回ほど話しかけられた。住んでいる場所の話題など。コミュ力がすごい。

聞いていたセッションも出身国も違うであろう、接点のない人にも話しかけられた。「I’m studying SSA」というようなことを言っていたので、「My compiler uses the CPS intermediate form」みたいなことを返した気がする。相手はコミュ力のお化けか。

HaskellのGHC界隈で見かける人もいた。話しかけられたら良かったのだが、心構えが足りなかった。「I’m a GHC contributor」みたいなことを言えれば良かった。

食事は、そこまでお腹が空いていなかったので、デザートを重点的に食べた。スイカ、ドラゴンフルーツ、グアバ(guava)など。グアバは硬めのメロンのように感じられた。タピオカのケーキみたいなやつもあった。sago gila melakaというやつで、後で調べたらタピオカではないがデンプンの粒には違いなかった。

デザート類
SAGO GILA MELAKA
フルーツ
ベランダの外
Marina Bay Sandsの3棟ある方

行きと同じバスで帰宅。2階建てバスだった。トンネル、歩道橋や渡り廊下等の構造物は日本と比べて高いのだろうか?それとも、そこは日本と変わらない?

2階建てバス

道路が一方通行で行きと帰りで経路が違うせいか、降りたかったバス停を逃し、次のバス停で降りた。スイカを食べまくったせいか尿意を催している。焦ったが、頑張ってホテルに辿り着いた。

路上セブンイレブン

洗濯をしたい。ホテルには洗濯機と乾燥機があるが、それぞれ現金が8ドルずつ必要なようだ。手持ちは10ドル札1枚。隣の商業施設にATMがあるようなので、追加で20ドル下ろした。

洗濯機用コインを買う機械

さて、10ドル札3枚が手元にあるが、洗濯機と乾燥機を使うにはドル札を専用のコインに替える必要がある。説明を注意深く読んだ私は、「投入した紙幣は全額がコインに変換される(お釣りは出ない)」ことを読み取った。つまり、16ドル分のコインが必要でも、10ドル札2枚を投入したら無条件で20ドル分のコインになってしまう。両替はフロントでしてもらえるようなのでフロントに行った。「I want to do laundry but I have only ten-dollar bills」とかそんなことを言った気がする。10ドル札を2ドル札5枚に変えてもらった。

これで16ドル分のコインを入手。あとは洗濯のオプションだが、海外の洗濯機に柄入りのTシャツを通しても安全か確信が持てなかった。安全のために、DELICATEというオプションを選んだ。無事に洗濯できた。

洗濯機

翌日の計画を練る。ホテルのチェックアウトは遅くて昼の12時だ。

当初はカフェにでも入ってオンラインで(Haskell Symposium 2日目の)講演を聴こうかとも思ったが、やっぱり観光することにする。

動物園(ナイトサファリが有名らしい)と博物館が気になったが、動物園の隣にある(運営も同じ)Bird Paradise(鳥専門の動物園?)に行くことにした。一眼レフを持ってきたことも選択を後押しした。

10月17日:観光

朝ごはんを食べてチェックアウト。

MRT(地下鉄)に乗る。郊外に出る。シンガポールはかなり開発が進んでいる国だが、まだ工事しているところもある。

MRTの改札

MRTは第三軌条方式で、架線がない。おそらく踏切もないのだろう。同様の方式(第三軌条で、地上区間がある)の路線は、日本で言えば大阪の御堂筋線や横浜のブルーラインが該当するだろうか。

Khatib駅

Khatib駅でバスに乗り換える。途中、軍事施設の脇を通ったが、撮影禁止の標識が立っていた。

Bird Paradiseバス停

Bird Paradiseに到着。入場料は49ドル(6000円弱)。現地住民だと割引があるようだが自分は該当しない。券売機で発券したQRコードを改札に見せる。

Bird Paradise入口

順路は特に指定されていなさそう。入ってそのまま奥に進むとペンギンが迎えてくれるのだろうが、右から回っていくことにした。

ネットで囲われた巨大な空間に鳥が住んでいる。鳥との距離が近い。餌台があるのでそこに止まっている鳥を観察できる。

ステージみたいなところで鳥のショー(presentation)をやっているようなので、見てみた。訓練された鳥が飛んできて各種パフォーマンスを行っていた。

昼食はフードコートみたいなところで食べた。タイ料理か何かの、米に目玉焼き、野菜やパイナップルが乗ったものを食べた。

AWSやいくつかの企業がスポンサーになっているようだ

その後も鳥を楽しんで、売店でお土産を買って帰った。

フルーツ盛り合わせ
ボトルを持参した人は水を詰められるようだ
結局閉園間際までいた

帰りは来た時とは別のバスに乗る。シンガポールのLRT (Light Rail Transit) という鉄道が気になるので乗っておきたいのだ。バスでChoa Chu Kang駅に向かう。途中、MRTの車両基地の脇を通ったが、そこも撮影禁止だった。

Choa Chu Kang駅のバーガー屋では日本語を交えた広告がデカデカと張り出されていた。英語圏から見ると日本語はクールに見えるのだろうか?

爽やか抹茶
うま味
路線図
LRT路線図

Choa Chu Kang駅でLRT乗り場を探すが、路面に乗り場は見当たらない。改札を通って到着したのは、高架のプラットホームだった。コンクリートの路盤。ゴムタイヤ。存在しない運転席。シンガポールのLRTは路面電車ではなく、日本で言う新交通システムだったのだ!

とにかく、車両に乗り込んでBukit Panjang駅に向かう。LRTは集合住宅群の間を通っているが、プライバシーに配慮するためか走行中は側面のガラスが曇るようになっていた。途中、車庫への分岐があったがそれも撮影禁止だった。

ガラスが曇る

Bukit Panjang駅に到着。MRTの乗り場を探すのに手間取ったが、地下にあった。途中、生成AIでスマホカバーのデザインを作ってくれる自動販売機を見かけた。

スマホケース自販機(AI活用?)

この時点でもう夕方である。シンガポールを離れる前にあの有名なマーライオンを近くで見ておきたかったので、MRTでDowntown駅に向かう。路線の名前もDowntownで、DTという略称がついていた。

MRTの車内では禁止事項がいくつかあり、喫煙禁止や可燃性の危険物持ち込み禁止は日本人でも納得だろう。意外なのは飲食も禁止されていることで、違反すると500ドル(1ドル120円で計算すると、6万円)の安くない罰金がかかる。ドリアン禁止というユニークなものもあり、これは罰金が明記されていない。

MRTでの禁止事項
広場からMarina Bay Sandsが見える

Downtownやマーライオンのあるエリアは、高層ビルが並ぶ区画である。昨日訪れたMarina Bay Sandsも見える。マーライオンくらい有名な観光スポットになると、団体の観光客がやってきた方に向かえば辿り着ける。

マーライオンとご対面。写真を撮る。対岸にMarina Bay Sandsも見える。

Marina Bay Sands

しばらく写真を撮った後、出発する。

シンガポールは太平洋戦争で日本に占領されていた期間があり、占領期間に亡くなった方の記念碑がある。そこに足を運んでみた。博物館に行けばその手の展示がいろいろあるのだろうが、今回は行く時間がなかった。

記念碑のある公園は静かで、白い塔が厳かに立っていた。

MEMORIAL TO THE CIVILIAN VICTIMS OF THE JAPANESE OCCUPATION 1942-1945

夕食を食べる必要がある。近くのショッピングモールに行って良さげな店を探す。

やはり和食が無難か。大阪王将と鶏三和を見かけた。鶏三和に入る。注文はスマホでやるらしい。会計もスマホでできる。

タコス親子丼というメニューを見かけたので試してみた。まあ、日本人の知る親子丼ではない。親子丼なら出汁がご飯に染みていそうなものだが、ご飯からは違う味がした。

タコス親子丼
タコス親子丼

メニューを見て気になったのは、飲み物等に含まれる砂糖の量の目安(?)が表示されている点だ。そういう慣習か規制があるのだろうか。

City Hall駅でMRTに乗って空港を目指す。空港に着いたらまたSkytrainに乗ってターミナル1を目指す。

Skytrain乗り場

果たして無事に日本に帰れるのか。緊張するが、自分がやってきた手続きと、航空会社を信じるしかない。

羽田行きの便が載っている

JALのチェックイン端末はエールフランスと共通だった。荷物を預ける。

当たり前だが、シンガポールには国内線がない。チェックインが終わったらすぐにパスポートを見せて出国手続きとなる。

羽田では保安検査と出国審査は一緒になっていたが、Changi空港では先に出国審査をやって、その後売店等のあるエリアで待機、保安検査は搭乗直前に行う。

そうすると困るのが飲み物だ。飛行機に飲み物を持ち込むにはどうするのか。調べると、空港で買って未開封であることを保証できる飲み物なら持ち込めるようだ。面倒くさい。結局買わなかった。

シンガポールでお土産を買うならここがラストチャンスだ。家族のために、かさばらないお土産を買いたい。セブンイレブンにマーライオンのチョコがあったので買って帰ることにした。

さて問題だ。私は12.29ドルの品物を買うのに現金で14ドル支払った。お釣りはいくらか?

答えは1.70ドル(1ドルと70セント)。シンガポールでは1セント硬貨が流通しておらず、代金に端数があった場合は丸められるようだ。知らなくて面食らった。それだけキャッシュレスが普及しているということだろう。日本でも切符の値段とIC運賃が違う場合があるのを思い出した。

しかし、ここで現金を使ったのはある意味で失敗だったかもしれない。日本円に両替するのは硬貨ではできない。無駄なシンガポール通貨を持って帰らないためにはドル紙幣のまま両替するべきだった。まあ、硬貨数枚を記念に持って帰るのも悪くない、という考えもできる。

深夜の飛行機までの時間を優雅にカフェで過ごそうかと思ったが、カフェは満席だった。iPhoneの充電が心許ない。USBの充電口がある席を探して充電した。根本がUSB AのLightningケーブルは短いのしか持っておらず、苦労した。

ベルトを外して保安検査を通り、搭乗準備。若干喉が渇いたが、機内で飲み物をもらえるだろうと期待して飲み物は持ち込まなかった。

搭乗。さらば、シンガポール。

10月18日:帰還

行きの機内ではペットボトルの水をもらえたが、帰りではもらえなかった。要望すれば貰えたのかもしれない。結局朝の機内食の時間まで喉を潤すことはできなかった。

朝の機内食にはスイカとドラゴンフルーツが出た。食材はシンガポール側で調達しているのだろうか。

朝食
南国フルーツ

飛行機は羽田に無事着陸し、日本に戻ってきた。飛行機を降りてから通路を長々と歩かされた。

日本への入国だが、税関のことを何も調べておかなかったので焦った。特に該当するものは持っていないはずなので用紙に「持っていません」と書けば良さそうだった。

シンガポールでカフェに入れなかったので、というわけでもないが、羽田空港のタリーズに入った。外国人がコンセントで充電している。シンガポールで見かけたコンセントは複数の規格で挿さるようになっていたが日本はそうなっていない。これは外国人にとって不便か?それとも、複数の規格で挿さる方が例外的なのか?どうしても「外国の人から見て日本はどう映るか」というのを考えてしまう。

車に戻り、家族と合流する。無事に帰宅した。

大事なこと

初めての海外、しかも一人だったが、なんとかなった。行き先が同じアジアであること、英語圏であること、治安が良いこと、などが幸いしたと思う。未知の土地であっても、歩いているのは同じ人間だし、道路は舗装されているし、文字も慣れた言語(英語)であるという事実には大いに勇気づけられた。

私は英語の読み書きはそこそこだが、喋りと聞き取りが苦手である。しかし、大事なのは「対話しよう」という意思であり、それがあればなんとかなるものだと思う。簡単な内容なら、身振り手振りと単語だけで通じるかもしれない。音声でのコミュニケーションが苦手ならスマホ等で筆談すれば良い。言語がわからないならスマホの翻訳アプリを使えば良い。良い時代だ。

パスポートの有効期間は10年で取ったが、海外に行く機会が次にいつ訪れるかはわからない。しかし、自分の世界が広がったというか、「行こうと思えば海外に行ける」ことを体験としてわかったのは今後の人生で役に立つかもしれない。

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