先の記事の通り、10月にシンガポールに行った。海外に行くのは初めてだったので、準備したことを記録しておく。
パスポートとビザ
パスポートは外国で通用する身分証みたいな役割で、ビザは渡航先の国から発行される「来ていいですよ」みたいな許可のことである(と認識している)。
日本人なので、パスポートは日本の行政機関に発行してもらう。有効期間が5年か10年か選べて、10年の方が高い。今回は10年のものを発行してもらった。15900円。10年以内に他の国に行く予定はないけど……。
現地のホテルのチェックイン時にパスポートを見せてと言われたので、行政機関以外でも使い所があるようだ。
今回渡航したシンガポールの場合は、日本からの短期滞在の場合はビザは不要である。その代わり、アライバルカードというものを記入する必要がある。アライバルカードの内容は、「渡航数日前に高熱が出ていないか」みたいなことを書く。yellow feverみたいな語句を見た。
航空券とホテル
JALで取った。東京(羽田・成田)からは1日3便出ていて、うち2便が羽田発着である。羽田発着の便を取った。
現地のホテル事情はよくわからなかったので、航空券と一緒に取れるようなところなら大外れはないだろうと思い、航空券と一緒に取った。
16日、17日は現地にいたいと思ったので、15日の日中に移動→15日、16日の晩にホテル泊、17日〜18日の夜に移動、という形にした。つまりホテルには2泊する。
約24万円かかった。旅行慣れしていてホテルを自分で選んで取れる人ならもうちょっと安くできるのかもしれない。
お金
私のメインのクレジットカードのブランドはJCBだが、JCBは海外で使えるか怪しい(実際、使えないところが多かった)ので、他のブランドのカードを確保しておきたい。
すでに手持ちのVISAのクレジットカードが1枚あったが、予備も含めて海外で使えるカードが複数あると安心かと思う。シンガポールの治安は割と良い方のはずだが、それでも財布を1個盗まれたら詰む、みたいな状況は避けたい。財布を複数持っていって、それぞれに現地で使えるカードが入っている状態にしたい。
JALがやっているJAL Payという決済サービスがあり、(有効期限の近いマイルを消費するために)すでに私のスマホに入っていた。そのJAL Payで本人確認するとMastercardブランドのカード(これはクレジットカードではなく、プリペイドカード的なやつ)がもらえるので、追加のカードはそれにした。発行には2週間ほどかかるので直前に慌てないようにしたい。
JAL Payはアプリ内で事前に両替しておけるので、円高の時に両替しておけばお得かもしれない。両替した分から優先的に使われるが、足りなかったらその都度両替して日本円から差し引かれる。
JAL Payには3万円くらい投入して、2.5万円ほど使った。JAL Pay以外にVISAのカードも若干使った。
現金が必要な場合は、国際ブランドのカードに対応したATMで引き出せる。ただ、クレジットカードでキャッシングすると(借金なので)利子がかかる。デビットカードやプリペイドカードなら借金じゃないので利子はかからない。結局、現地ではJAL Payのカードで合計30ドル(シンガポールドル、SGD)引き出した。引き出しごとに手数料がかかるので、必要な金額が見積もれる場合は一気に引き出した方がお得そうだ。今回は計画性がなく、最初に10ドル引き出して、その後追加で20ドル引き出した。
シンガポールではクレカ等の決済手段が充実しており、結局、現金が必要な場面はホテルの洗濯機だけだった(16ドル)。残った分は空港のコンビニでお土産を買うのに使ったが、硬貨数枚が手元に残った。これは両替できない。
シンガポールでは1セント硬貨が流通していない。会計の金額が硬貨で表現できない場合は適当に丸められるようだ。キャッシュレス決済が普及していれば1セント硬貨がなくても困らないのだろう。日本でも乗り物の運賃がICと磁気券で違ったりするしね。
JAL Payやクレカの明細を見た感じ、1シンガポールドルが122円前後(121〜123)で両替されたようだ。
乗り物
シンガポールの鉄道もバスも、クレジットカード類の非接触決済で大体行ける。カードを登録したスマホでもいける(Apple PayやGoogle Pay)。
日本だとSuicaを始めとするFeliCa規格のカードが主流だが、そういう地域限定のカードを用意する必要がなく、手持ちのクレジットカード等を使える仕組みは旅行客には便利だ。日本でもクレカ類を使える事業者は徐々に増えているので、時間が解決する問題かもしれない。
乗った時点では0.10ドルが(カードの有効性確認のため?)引き落とされ、数日分まとめた最終的な金額が確定した段階で残りの請求が来るようだ。主にJAL Payで乗ったが、チャージ金額が足りなかったらどうなっていたのだろうか?
トータルでは15.35ドル請求されたようだ。細かい運賃計算の仕組みはよくわかっていない。
電源
海外と日本では電圧もコンセントの形状も違う(ことが多い)。シンガポールは230V程度のようだ。ただ、最近のACアダプターは100-240V対応とかで、電圧の違いは問題にならないものが多い。なので、コンセントの形状だけを気にすれば良い。
電圧について、前にELECOMのACアダプター(100-240V対応)を中国で使ったら壊れたという報告がTwitterであったが、電源が不安定だったのかもしれないという結論になっていた気がする。
MacBookのACアダプターと、ELECOMのUSB-C ACアダプターを持って行った。コンセントの形状の違いについては、変換アダプターを合計2個買って持っていった。
MacBookのACアダプターは伝統的にコンセント部分が交換可能になっており、延長ケーブルをつけたり、海外のコンセントに対応したパーツに取り替えたりできる。「海外のコンセントに対応したパーツ」は「Appleワールドトラベルアダプタキット」に含まれている。「いつか海外に行く機会があったらApple World Travel Adapter Kitを買うんだ」と夢見ているApple信者はそれなりにいるのではないだろうか。私だけだろうか。買った。4780円。



もちろん、BFタイプの変換アダプターを1個買うだけなら500円とかで入手できる。それでもApple純正品はロマンなのだ。
(今(2025年11月)確認したら、Appleワールドトラベルアダプタキットが終売になっていた。悲しい……)
ただ、結果論で言えば、シンガポールのホテルや空港で使ったコンセントは複数の形状に対応しているものが多く、変換アダプターは必要なかった。以下の写真左は変換アダプターを使った状態で、右は直接挿したところ。


余談だが、シンガポールのコンセントにはスイッチがついているものをちょいちょい見かけた。電圧が高いと抜き差し時に火花が散るからスイッチを切って抜き差しするのだろうか?
通信:SIMカード/eSIM
電源を確保したら、次は通信を確保しなければならない。
日本での通信キャリア次第ではシンガポールでもローミングで通信できるのかもしれないが、私の使っているキャリア(IIJmio)はそういうのはなさそう。
私の使っているiPhoneはiPhone 14 ProのSIMフリーのやつで、現地のSIMを挿せば通信できる。デュアルSIMで、eSIMに対応しているので、eSIMを買ってインストールすればSIMカードの抜き差しも必要ない。
どこのeSIMを買うか、という話になるわけだが、3日間で5GBくらい通信できると安心だ。この条件で探すと、現地大手キャリアのSingtel, StarHub, M1あたりが12〜15ドル程度で2週間・100GB使える旅行者向けプランを出しているので、オーバースペック感はあるがこれでいいんじゃないか?となった。
今回はStarHubの12ドル(1400円程度?)のプランを購入してみた。本人確認が必要で、Webでパスポートの写真をアップロードしてみたが、なぜかうまくいかない。スマホアプリを入れれば再アップロードできるとのことだったが、うまくいかない。サポートのチャットで相談したら「調査します」みたいなことを言われたが、結局現地滞在中に本人確認が完了することはなかった。
現地に到着後にStarHubの店舗に突撃してみたが、「通信はできていますか」と(英語で)聞かれて、確認したところ通信できていた。本人確認はできていないのだが、良かったのだろうか……。結局本人確認しないままになった。最初からアプリで購入していればスムーズにいったのかもしれないが、謎である。
まあ、正直、StarHubのシステム(Web、アプリ)は出来が悪いという印象を受けた。日本企業のWebシステムの出来が悪いのはよくあることだが、海外だからといって夢を見過ぎない方が良いか。
現地に着いて通信できないと困るので、予備の回線としてAiraloというところのeSIMも追加で買っておいた。3日で3GB、JALのクーポンが使えて892円。結果的にはこっちは必要なかった。
予備のスマホ(以前使っていたPixel 3a)も持って行ったが、幸い、必要な場面には遭遇しなかった。こっちは物理SIMカードが必要なやつ。
保険
クレジットカード付帯の保険にした。航空券を決済したカードで使えるやつ。
幸い、保険のお世話になるような出来事はなかった。
羽田空港の駐車場
今回は妻と子供を妻の実家に預けなければいけないし、育児用品も持っていかないといけないので、車で移動することにした。
羽田空港には公式の駐車場がいくつかあり(P1〜P5と名前がついている)、一部は予約ができる。しかし、駐車場によって運営主体が異なるのか、異なる駐車場には異なるアカウントを作成する必要がある。しかも、ログインIDは車のナンバーであり、ブラウザーの自動入力が効かない。羽田空港の駐車場のWeb予約の体験は全体的にお粗末だと言えるだろう(POSTリクエストで画面を表示するページもあったし)。
結局15日〜18日の予約は取れず、当日に空きがあることに期待して臨んだ。無事駐車できた。
飛行機での暇つぶし
東京からシンガポールまでのフライトは7時間ほどかかる。暇つぶしできるものがあるのが望ましい。機内Wi-Fiは無料の場合は1時間しか使えない。
前に買ったXREAL Airを持って行ってスマホに入れたアニメでも見ようと思ったが、
- iPhone 14 ProはLightning接続で、Lightning-HDMIアダプターを使うのにファームウェアのダウンロードが必要。なのでインターネット接続ができないと使えない。
- 事前に接続してダウンロードしておけば大丈夫だったのだろうとは思う。気づいたのが無料Wi-Fiの時間が終わった後だった。
- Lightning端子じゃなければなあ……。
- U-NEXTやdアニメストアはオンラインでライセンスの確認をするので、事前にダウンロード済みであっても、視聴時にインターネット接続が必要。
という感じで、スマホに入れたアニメは見られなかった。
仕方がないので、座席の端末でアニメを物色し、機動戦士ガンダムを見た。入っていたのは一部の話数だけだったが。
残りの時間はスマホに入れた電子書籍を読んだ。ラムダノートで買った「ゼロから始めるLean言語入門」を読み進めた。DRMフリーのPDFだと助かる。
ICFP/SPLASH参加登録
ML Family WorkshopはICFP/SPLASHの一部として開催されているので、ICFP/SPLASHに参加登録する必要がある。
8月末までに登録すれば「Early Bird」(英語圏には「The early bird catches the worm」という言い回しがあり、「早起きは三文の得」的な意味。この場合は「早割」のこと)で割引価格で参加登録できる。それでも結構高い。
非学生の場合、早割(Early Bird)だとACM会員は385SGD、非会員は460SGD。9月以降に参加登録すると、それぞれ460SGD、535SGDとなる。それが1日あたりの参加費で、1日参加、3日間参加、7日間全参加の選択肢がある。
私が申し込みしたときは仕組みがよくわかってなくて、「16日と17日の2日間参加するとしたら1日参加を2回申し込めば良いのかな?」と思っていたが、できなかった。2日間参加したいなら「3日間参加」として申し込む必要があったようだ。運営に連絡すれば修正できたのかもしれないが、必須なのは16日の参加で、他の日はオンラインで配信を見られるので、16日のみの参加とした。参加費も高いしね。
とにかく、1日参加するだけでも5万円くらいかかるわけだ。これは「たくさん交流して参加費の元を取るぞ」と思わされる。
とまあ、そんな感じで準備をして臨んだ。実際に現地で何をした、みたいな話もそのうち記事にしたい。

